自己紹介

自分の写真
夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2015年9月20日日曜日

確認作業 - 越後三山縦走 反時計回り二回目 

別に番長が悪い訳ではない。あの日はオイラも精一杯だったのだと言い利かすが、納得できないものが胸をもやもやさせた。ベストな状態で今の自分の力を見たい。ただそれだけの山行。お天気なんてどうでも良い。景色なんて見えなくても良い。

天気予報を見ると、朝方に傘マークが有る。早く目覚めた寝床の中で天気予報を見る。雨雲レーダーには目立った雲は無いので、予定の通りに出発する。車庫からチャリを引っ張り出すと霧雨が降っている。気温も低いので、合羽を羽織り漕ぎだす。
30分のウオーミングアップでスタート ゴールの八海山大倉登山口に着く。身支度を整えてヘッドランプの灯りを頼りに先々週と同じく歩きだす。チャリン ぱんぱん これも同じ 道中の安全祈願。

先日より30分早く出た。目覚めが早かった割には身体が動く。今日は後ろに誰も居ないので、心細く朝露を払いながら進んで行く。
早く出たのでなかなか明るく成らない、かなり高度を上げた。東の空に明るい星が見えた。明けの明星。雨の予報なのにこりゃ良い塩梅。黙々と歩いていたら、あっと言う間大通りに出た。まだ灯りは手放せない。丸い視界の中をずんずん走って行く。女人堂でようやく灯りを消した。霧が立ち込めて目の前の道しか見えない。仕方ないのでずんずん歩くしかない。


千本檜小屋の前で大きな荷物を担いでいる人が居る。「縦走ですか?」と問うと「その積りだったけど、この天気じゃ・・・。取りあえず、入道岳まで行ってみます・・・」とのこと。「お宅はどちらまで?」と返されたので「三山ワンデイです。」と答えたら、元気だね~と褒められる。

限られた視界の中から岩峰が姿を現す。しっとり濡れた岩も鎖も滑り易く成っているので、何時もより慎重に行く。風が吹いて寒いので、ずーと合羽を着込んだまま。
鎖場の緊張が解けると、空が明るく成り始め、一気に霧が晴れて、勿体ぶっていた景色が顔を出す。振り返った岩峰もみごとに見えた。
そんな演出も直ぐに終わり、再び雲の中。まったくケチである。



慣れた道でもこんな日は方向感覚や距離感が鈍って、頭の中がこんがらがる。一本道なので、五竜岳で阿寺山の方向にさえ迷い込まなきゃそれで良い。滑り易い道をバランスを取りながら、スタコラと駆け下りる。
乾いて居れば何でも無い岩場が、ぐっと難易度が上がる。足を滑らせれば はい、さよーなら~ である。足元を睨みつけて、切れ落ちた谷底は見ない様に行く。

そう言えば、先日見たテレビで、 一筆書きの人 がこのコースを歩いていた。入道岳~中ノ岳を2時間半(だったっけ?)で歩いていた。見えない人の背中を追っても仕方ないが、負けん気が足を速めさせる。オカメノゾキを過ぎ急に脚が重く成る。急いでいるうちに補給を忘れた。
もう少しで祓川だから、そこで・・・と動かない脚を騙し騙し登って行く。



じっとしていると寒い位の陽気なので、水をそれ程飲まなくて、背負った水袋の容量はさほど減っていない。今回はオアシスでの水の補充はいらない。それより人間のパワーの補充をせねば成らぬ。
速効性のジェルとシリアルバーを口に入れて味気ない補充完了。よっこらしょと思い腰を上げて最後の詰めのガラガラ岩を登る。

中ノ岳の山頂には誰も居ないと思ったらかなり年配の方が登って来た。「十字峡から4時間掛かった。大変な道だね~。」とおっしゃっていた。失礼だが、年齢を考えると大したもんである。良い若いもんでも4時間以上掛かる方はざらである。見えない山を指示し近隣の山の紹介ルートの説明をして来た。「越後の山は厳しいですが、良い山が多いですな~」。そうでしょうそうでしょうと他の山域を良く知らない蛙は、褒められて満足する。
「先を急ぎます」と御暇して、駒が岳に足を向ける。



連休の初日で、天気もパッとしないのでスライドする人も疎らだ。だから駆け下りていて、不意に現れるとびっくりする。大きな荷物を背負った若いソロの人と2人、男女のペア一組、駒から中までピストンの方一人とスライド。追いかけて来る人はいない。
相変わらず景色は見えないが、時折ガスが切れて紅葉が始まった尾根が姿を見せる。視界が良ければ目にも入らない様な、何でも無い景色が頭の中に残る。

アップダウンを繰り返し、木の根を登り百名山に向かう。辿り着いた山頂には先客がくつろいでいらっしゃる。紛れ込んで補給をする。食事では無く補給。「トレランですか?」と声を掛けられるが、適当に濁して山談議に聞き耳を立てる。さすがに有名なお山なので、天気が悪くてもそこそこ登って来る。ベンチを占用して悪い気がして来たので、暇乞いをして発つ。



残るは激坂下り。グシガハナまでの天国尾根を軽快に走る。補給して脚が動く様になった。
尻でづり落ちる様にしてジメジメした木の根の間を降り。滑って転ばない様に注意して走る。
大きな荷を背負った若者二人が登って来る。「三山縦走ですか?」と声を掛ける。「そうです。何とか今日中に中ノ岳まで行きたいのですが、この道は険しいですね~」と嘆いている。三山の右回りの難所はここグシガハナまでの急登だろう。真っ直ぐ標高を稼ぐので効率は良いが、その分勾配はきつく成る。オイラはワンデイ三山駆けをしていると説明したら驚かれたが、荷を最小限にして早立ちすれば意外と何でも無い気がするが、忙しない登山なのでお勧めはしない。
この後、6人組の若者集団ともスライドしたが、この時間でまだここでは明るいうちに中ノ岳まで行けるか心配をしてみる。初日に中ノ岳まで行けないと行程が厳しく成る。女性も居るグループなので無理は出来ないだろう。秋は日が短く成る。やはり早立ちが基本だろうな。越後の山の厳しさよ。


滑り易い足元に注意しても、脚が言う事を聞いてくれずに、お手付き尻もちで高度を下げる。先日は番長ペースで降りたが、今日はちょっと頑張って走れそうな所は駆け下って、時間短縮で十二平に辿り着く。振り返るとすっかりとガスは取れて、八海山~中ノ岳の険峻な縦走路の姿が見える。ギザギザである。さて、後は川沿いの道を辿るだけ。数年前までは、上流の堰堤の工事用の道路で、十二平近くまで車が入ったが、落石や水流の浸食の影響で道路は通行不可能に成って仕舞ったので、車は森林公園の駐車場まで。オイラは堰堤の工事が始まる以前の渓谷の道も知っている。人の勝手で道が出来たり死んだりしているのを見て来た。


この2週間で残雪トンネルは融雪が進み、トンネルも随分と危なく成って来た。
トンネルを潜って、スタート地点まで時間短縮の為にトコトコ走る。
今日は全部出し切った感で満足して振り出しに戻る。


帰り仕度をしてチャリに跨り、ぴゅ~と下って行く。秋の空と雲が広がっていた。

結局、前回のタイムを約2時間縮めた。登りの時間は大差ないが、やはり下りの時間で短縮できた。スピードが全てでは無いが、バランスを考えると下りの速さがものを言う。

今回の行動時間 11時間03分







2 件のコメント:

番長 さんのコメント...

ナイスハイクです。
自分が悪いのです(笑)なんて。
正直自分もモヤモヤがありますが、現在の精一杯だったとも思ってます。
楽しめた三山だと思って納得はしてますがねw
10月になれば紅葉が綺麗そうですね。

とんば さんのコメント...

番長へ

人は誰しも我がままな所が有り、自分以外の人と行動を共にする場合はどこかしら妥協して行くしかないのです。その妥協の大小がストレスに成ると考えます。オイラの場合は、登りの速度の差が最大のストレス原因なのだけど、お前さんと行動を共にする時はほぼノンストレスで行動できるので非常に良いパートナーです。同じ景色や空気を感じれる事は、ソロで行動するのとは別の楽しさが有ります。
黙々と独りで歩くのと、自分以外の者と行動する事は、同じコースを歩いても意味合いが違います。
今回は、自分と向き合う山歩きでした。これは自分にとって必要な行動です。

また一緒に山歩きしましょう。オイラも年々衰えて行く一方で、ストレスを与えるかもしれないけど、宜しくです。