自己紹介

自分の写真
夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2015年10月4日日曜日

第2回苗場山麓ジオパーク津南ネイチャーランを走って来た  個人的人体実験の巻


今年は春から全く走る気が起きずに、言い訳を探して 夜ラン 朝ラン 全く走らなかった。
全くレースにはエントリーしておらず、何時もなら冬と比べると5~6kg落ちる体重も落ちる気配なく、70kg前半をキープしている。
それがなぜか、昨年参加して、そのキツさに「もう二度と出ないぞ!」と言い放ったレースに急に参加する積りに成った。昨年はエントリーしておきながら、ひざ痛の為に走らなかった番長が早々とエントリーして、躊躇して居たオイラも、締め切り間際に成って勢いでランネットのエントリー受付をポチリとやってしまった。

今年で開催第2回目の「苗場山麓ジオパーク津南ネイチャーラン」である。
河岸段丘の地形を上手く利用したコースレイアウトで、登って降って未舗装のトレイルも有ったりして、なかなか変化に富んだ厳しいレースで、今年からフル ハーフに加え70kmのウルトラのカテゴリーも新設された。
二人で山歩きをしていた時の与太話でウルトラに出てみよう!なんて勢いで言っていたが、いざ参加を決意する段に成ると、エントリーフィーの8000円が惜しくて、無難にフルマラソンのカテゴリーに落ち着いた。

一応、カレンダーにはカウントダウン的に大会まで あと何日 とか書き込んでみたものの、生来の怠け癖が顔を出し、前記の通りに言い訳を作り出しては走らない日々が続いた。それならいっそ「何も練習をしなくてどれだけ走れるか」という壮大な人体実験をやろうと決意した次第であります。

何時もの様に番長に迎えに来て貰い、これまた何時もの様に牛丼をかき込んで会場に向かう。余裕が欲しいのでスタート2時間前には現地到着。既に ウルトラ のカテゴリーの参加者はスタートしている。開会式も無い様なので、到着後すぐに受付を済ませる。参加賞のTシャツとゼッケン 計測チップ 名簿を受け取る。オイラの出るフルの参加者は70名弱と寂しい限り。会場の立地条件が悪いのか?、まだ開催2回目で大会の存在自体が周知されて居ないのか?、たまたま有名な大会と被っちゃっているのか?運営しているスポーツエイド・ジャパンは素晴らしい大会運営で有名なだけに残念である。

天気は、今にも降り出しそうな肌寒い感じで、長袖で行くか半袖で行くか悩む所だが、雨に降られると長袖だと袖が重たく成って不快に成るので、半袖Tシャツで行く事に。ふと番長を見ると、全く同じシャツで、まさかのペアルックである。

スタート前の時間はあっと言う間に過ぎるもので、うろうろしていたら何時の間にスタート時間に成っていた。説明を聞いてスタートラインに移動。どう言う訳か最前列に並んでしまい、そのままスタート。「ダイエット目的で」と本人は言っているが、日々練習を積んで来た番長は、潜在能力を見せ付けピュ~と行ってしまい、あっと言う間に視界から消えた。最初から頑張りすぎても潰れるのは目に見えているので、オイラは抑えたペースで行く。

ホテルの広大な敷地を周回するコースを回ってコテージ村からトレイルのコースに入る。そこをしばらく走って、そこからこのコースの目玉の標高差500mの天空農地と呼ばれるアップヒルダウンヒル区間に入る。登るに従って霧が濃く成り視界20m程の坂道を黙々と走る。坂道は得意なので自然と足が前に出るので、スタート直後から前方を走っていた女性ランナーと若い男性二人を抜き去る。昨年もここを走っているので、だいたいの距離感で後どれくらいって事は分かるけど、初参加の方は、何処までも続く先の見えない坂に戸惑うだろう。
結構登り、そろそろかな~と思っていたら、トップ集団の方が居り返して来た。オイラの前を走っているのは番長なので、人数を数えたところ、折り返し時点で6位に付けている。参加者が少ないので、オイラでもこの順位でいけてる。

登りは良い良い下りは怖い
やはり苦手な下りで脚に違和感が起きる。まだ4分の1位しか走って居ないのに先が思いやられる。
今年は昨年とコースのレイアウトが変わっている。坂を下り切ってトレイルを走り、河岸段丘の段丘崖に付けられた道を下り大場集落に入る。地元にもまだ定着して居ないのか、地元民の応援は無しだが、人の気配に驚いたワンコが盛大に吠えて応援してくれる。ここはワンコの村と呼ぼうw。

この大会は、エイドが充実している。お蕎麦が有ったり、おにぎり フルーツ 熱々の汁物まである。エイドの方もフレンドリーで楽しい。今回は、肌寒い陽気で、飲み物は身体が欲しなかったが、サンドイッチやら、バナナなどを美味しく頂いた。

ここは ネイチャーラウンド と呼ばれる地区で、河岸段丘を大谷地ダムまで登り返して、ホテル敷地内のスタートゴール地点を通過して周回するコース。フルの選手は2周 ウルトラの選手は4周する周回コース。ただ、フルのコースは続けて2周する訳では無くて(昨年は続けて2周したのだが)、スタートゴール地点からしばらく進んだエイドの地点から別の道に誘導され、反対側の段丘崖を太田新田集落まで降りて(黄金のみち)再び登り返してから、再度ネイチャーラウンドのコースを周回してゴールへ向かうコース。

普段の練習不足で、黄金のみちの登り返しで脚が終わった。慌ててshotzを摂取するが、そんなにすぐには効いてくれない。擦れ違う後続の選手と挨拶を交わし元気を貰うが、我慢の登りが続く。暫らくのタイムラグがあり、効いて来たらウソみたいに脚が動く様に成る。

登っているか降っているかしかないコースの中で、唯一元気に走れるのが土の感触を感じながら走れるトレイル区間。周回中のウルトラランナーたちを尊敬の眼差しで抜かせて頂きながら先へ進む。もう脚が棒の様に成って来て、いろんな筋肉が悲鳴を上げる。
再び ワンコの村 を抜けて、エイドで 「うどんでも食べて行って」と呼びとめられる。止まると動けなくなりそうだからコーラとバナナを頂き走り出す。後ろから猛烈な勢いで追いかけて来た2人に抜かれ、置いて行かれる。とても付いて行けない。何故あんなに軽やかに降って行けるのか羨望の眼差しで見送るしかない。

脚が痙攣をし始め、いよいよ脚が終わって仕舞った。頑張ればまだサブ4を達成できそうだが、無いものは無いので仕方ない。それでも、大谷地ダムへの最後の登りは頑張った。坂道で歩くのはプライドが許さねぇ~。先程軽やかに抜いて行った方を再度抜き返して登り切る。もうこれで満足。もうこれっぽっちも残っちゃいない。ゴールまで後2km程。少しの下りでさえ歯を食いしばる始末。また数人に抜かれる。もう順位もタイムも関係無い。この苦痛は練習をさぼって来た罰だ。

ゴールまで後数百m。番長から「ラスト~」の声が掛かる。分かっちゃ居るんだよ。でももう脚が動かないんだよ~。脇を女性ランナーが抜いて行く。さすがに癪に障るので追い掛けては見るものの、差はどんどん開く。50mほど差を開けられてゴールに走り込んでお終い。

まあ、「練習せずにどれだけ走れるか」との実験の結果は、走り切れるが、「それはかなり辛い」との結果が出ました。

ちゃんと練習していた番長は、初マラソンなのに サブ4 を余裕で達成で3位入賞です。さすがに 元 アスリート、持っているものが違いすぎます。

もうこの歳に成ると落ちて行くばかりで、それをどの程度の落ち幅に止めて置くかに成る。自分よりはるかに年配の方が良いタイムを出していらっしゃるのは、もともとお持ちだった高いポテンシャルを、加齢による落ち込みを、日々の努力により食い止めているのかな~。
でもオイラには、それ程のモチベーションは無いかな?。

結果 カテゴリー 男子45~54歳 5位
    総合順位  13位
    記録 4:09:36



2015年9月27日日曜日

ちょっくら飯士山へ偵察に。

サボったつけは必ず回って来る。
先週の頑張りが脚に溜まってなかなか抜けなかった。昨年までは、衰えを日々のささやかなトレーニングで食い止めて居たけど、怠けものに成っちまったおかげで、誤魔化しきれなくなった。身体は正直者である。
来週は、今年唯一エントリーして居るレースに出る事に成っている。かなり坂を登って下ってのフルマラソン。全く走って居ないのだが、番長も早々にエントリーしたので、何となく軽い気持ちで今年も出る事にした。昨年は、走り終えた後は 二度とこんなキツイレースには出ないぞ と、言っていたはずなのにね。おかしなもんだ。すぐ忘れる。
そんな訳で、疲労が残らない程度の山歩き。
思いついたのは 飯士山。イイジスライダーである。


チャリンコを漕いで登山口に向かう。五十嵐登山口だ。ここは、多くの登山地図にはルートとしては表記はされていない。
廃業して久しいファースト石打スキー場に向かう。鎖で規制されている道路を登って行く。普段頑張って自転車に乗っていないので、坂道はキツイ。時おりポツポツと雨が当たるが、すでに汗で濡れているからそれ程気にはならないが、気分は宜しくない。
クルクルと軽いギヤを踏んでいる。あともう少しの所で心がポッキリといってしまい、降りて押して登る。
杉林の中に入り込んで行く道が有る。飯士山登山口 山頂まで2時間 との標識が有る。チャリンコモードから登山モードに切り替えて登り始める。餅は餅屋。山歩きは楽チンである。

杉林の良く踏まれた道を登って行く。しばらく行くと分岐点に成る。負欠岩コースと尾根コース。以前来た時と同じく負欠岩コースを登り尾根コースを降りてくる予定。


良く踏まれて明瞭な道だが、手入れはされている感じは無い。元気な草が伸びて、露で身体はすぐにずぶ濡れに成った。灌木が横に枝を伸ばしている。そこを潜る様に進むと、沢状の滑り易い岩を登る様に成る。きのこの群落を見つけたが興味がないのでスルーする。


頭上の邪魔な枝が無くなり、岩場にでる。イイジスライダーである。数年前にここを滑った。冬季の職場から日々観察している斜面。ベストなタイミングは何時なのか観察して決心が付く前に斜面にクラックが入り始める。その時は、既にクラックが入り、その上に再度積った後に斜面に入った。悪い雪質と隠れたクラックに足を取られて、敗北感と共に降りて来た。今度は良い時期に行きたいもんだ。




濡れたスラブ状の岩場は滑り易く登り辛い。負欠岩(笈掛岩と書かれた書物も有ることからオイカケイワと読むのだろう)を眺めまわして険しい道を登って行く。浸食の具合でこの岩だけがにょきっと突出している。良く見ると古いリングボルトや新しいプロテクションが打ち込んであるので、物好きな岳人がクライミングの練習に使って居た様だ。基部には○○行者と彫られた石塔も有る事だから、山岳信仰の道でも有ったのか?。前記の笈掛岩の笈とは修験者が仏具や衣類などを入れて背負う箱であるから、本来は笈掛岩が正しいのかな?。


死火山であるこの山の岩部が露出した岩場をロープを頼りに登る。この道は実に一般的では無い。不慣れな者は手こずる道だろう。
上り詰めると、西峰だ。イイジスライダーのドロップインポイント。尾根コースとの分岐にも成っている。何だか優しい顔つきのお不動さんが安置されている。オイラも賽銭を納めて何か良い事が有りますようにと都合の良いお願いをしてみる。


少し下って急登を登り切ると山頂。あいにく雲の中で景色は見えない。湯沢町で開催されているマラソン大会のアナウンスが聞える。標高1112mで三等三角点が有る。全身びしょ濡れはこの時期は辛い。さっさと腹ごしらえをして下山する。西峰まで引き返して尾根コースを降りる。こちらも登りに引けを取らない険しい道だ。ひょいひょいと降りられる道では無い。ロープを頼ったり、草木を掴んだりしながら慎重に降りる。


斜度が緩んで若いブナの林を行く。やけに細い木が多いと思っていたら、炭焼き窯跡の標識を見つけて納得する。木を切り炭を焼きその跡に生えた木だからまだ若い木なのだ。


小さな沢を渡り尾根を越えて分岐点に出る。途中で拾って来た山栗を握りしめて杉林の中を駆け下り舗装路に出てお終い。チャリンコモードに切り替えてピュ~と下って行く。

チャリンコ移動距離 往復48㎞
山への滞在時間 約3時間





2015年9月20日日曜日

確認作業 - 越後三山縦走 反時計回り二回目 

別に番長が悪い訳ではない。あの日はオイラも精一杯だったのだと言い利かすが、納得できないものが胸をもやもやさせた。ベストな状態で今の自分の力を見たい。ただそれだけの山行。お天気なんてどうでも良い。景色なんて見えなくても良い。

天気予報を見ると、朝方に傘マークが有る。早く目覚めた寝床の中で天気予報を見る。雨雲レーダーには目立った雲は無いので、予定の通りに出発する。車庫からチャリを引っ張り出すと霧雨が降っている。気温も低いので、合羽を羽織り漕ぎだす。
30分のウオーミングアップでスタート ゴールの八海山大倉登山口に着く。身支度を整えてヘッドランプの灯りを頼りに先々週と同じく歩きだす。チャリン ぱんぱん これも同じ 道中の安全祈願。

先日より30分早く出た。目覚めが早かった割には身体が動く。今日は後ろに誰も居ないので、心細く朝露を払いながら進んで行く。
早く出たのでなかなか明るく成らない、かなり高度を上げた。東の空に明るい星が見えた。明けの明星。雨の予報なのにこりゃ良い塩梅。黙々と歩いていたら、あっと言う間大通りに出た。まだ灯りは手放せない。丸い視界の中をずんずん走って行く。女人堂でようやく灯りを消した。霧が立ち込めて目の前の道しか見えない。仕方ないのでずんずん歩くしかない。


千本檜小屋の前で大きな荷物を担いでいる人が居る。「縦走ですか?」と問うと「その積りだったけど、この天気じゃ・・・。取りあえず、入道岳まで行ってみます・・・」とのこと。「お宅はどちらまで?」と返されたので「三山ワンデイです。」と答えたら、元気だね~と褒められる。

限られた視界の中から岩峰が姿を現す。しっとり濡れた岩も鎖も滑り易く成っているので、何時もより慎重に行く。風が吹いて寒いので、ずーと合羽を着込んだまま。
鎖場の緊張が解けると、空が明るく成り始め、一気に霧が晴れて、勿体ぶっていた景色が顔を出す。振り返った岩峰もみごとに見えた。
そんな演出も直ぐに終わり、再び雲の中。まったくケチである。



慣れた道でもこんな日は方向感覚や距離感が鈍って、頭の中がこんがらがる。一本道なので、五竜岳で阿寺山の方向にさえ迷い込まなきゃそれで良い。滑り易い道をバランスを取りながら、スタコラと駆け下りる。
乾いて居れば何でも無い岩場が、ぐっと難易度が上がる。足を滑らせれば はい、さよーなら~ である。足元を睨みつけて、切れ落ちた谷底は見ない様に行く。

そう言えば、先日見たテレビで、 一筆書きの人 がこのコースを歩いていた。入道岳~中ノ岳を2時間半(だったっけ?)で歩いていた。見えない人の背中を追っても仕方ないが、負けん気が足を速めさせる。オカメノゾキを過ぎ急に脚が重く成る。急いでいるうちに補給を忘れた。
もう少しで祓川だから、そこで・・・と動かない脚を騙し騙し登って行く。



じっとしていると寒い位の陽気なので、水をそれ程飲まなくて、背負った水袋の容量はさほど減っていない。今回はオアシスでの水の補充はいらない。それより人間のパワーの補充をせねば成らぬ。
速効性のジェルとシリアルバーを口に入れて味気ない補充完了。よっこらしょと思い腰を上げて最後の詰めのガラガラ岩を登る。

中ノ岳の山頂には誰も居ないと思ったらかなり年配の方が登って来た。「十字峡から4時間掛かった。大変な道だね~。」とおっしゃっていた。失礼だが、年齢を考えると大したもんである。良い若いもんでも4時間以上掛かる方はざらである。見えない山を指示し近隣の山の紹介ルートの説明をして来た。「越後の山は厳しいですが、良い山が多いですな~」。そうでしょうそうでしょうと他の山域を良く知らない蛙は、褒められて満足する。
「先を急ぎます」と御暇して、駒が岳に足を向ける。



連休の初日で、天気もパッとしないのでスライドする人も疎らだ。だから駆け下りていて、不意に現れるとびっくりする。大きな荷物を背負った若いソロの人と2人、男女のペア一組、駒から中までピストンの方一人とスライド。追いかけて来る人はいない。
相変わらず景色は見えないが、時折ガスが切れて紅葉が始まった尾根が姿を見せる。視界が良ければ目にも入らない様な、何でも無い景色が頭の中に残る。

アップダウンを繰り返し、木の根を登り百名山に向かう。辿り着いた山頂には先客がくつろいでいらっしゃる。紛れ込んで補給をする。食事では無く補給。「トレランですか?」と声を掛けられるが、適当に濁して山談議に聞き耳を立てる。さすがに有名なお山なので、天気が悪くてもそこそこ登って来る。ベンチを占用して悪い気がして来たので、暇乞いをして発つ。



残るは激坂下り。グシガハナまでの天国尾根を軽快に走る。補給して脚が動く様になった。
尻でづり落ちる様にしてジメジメした木の根の間を降り。滑って転ばない様に注意して走る。
大きな荷を背負った若者二人が登って来る。「三山縦走ですか?」と声を掛ける。「そうです。何とか今日中に中ノ岳まで行きたいのですが、この道は険しいですね~」と嘆いている。三山の右回りの難所はここグシガハナまでの急登だろう。真っ直ぐ標高を稼ぐので効率は良いが、その分勾配はきつく成る。オイラはワンデイ三山駆けをしていると説明したら驚かれたが、荷を最小限にして早立ちすれば意外と何でも無い気がするが、忙しない登山なのでお勧めはしない。
この後、6人組の若者集団ともスライドしたが、この時間でまだここでは明るいうちに中ノ岳まで行けるか心配をしてみる。初日に中ノ岳まで行けないと行程が厳しく成る。女性も居るグループなので無理は出来ないだろう。秋は日が短く成る。やはり早立ちが基本だろうな。越後の山の厳しさよ。


滑り易い足元に注意しても、脚が言う事を聞いてくれずに、お手付き尻もちで高度を下げる。先日は番長ペースで降りたが、今日はちょっと頑張って走れそうな所は駆け下って、時間短縮で十二平に辿り着く。振り返るとすっかりとガスは取れて、八海山~中ノ岳の険峻な縦走路の姿が見える。ギザギザである。さて、後は川沿いの道を辿るだけ。数年前までは、上流の堰堤の工事用の道路で、十二平近くまで車が入ったが、落石や水流の浸食の影響で道路は通行不可能に成って仕舞ったので、車は森林公園の駐車場まで。オイラは堰堤の工事が始まる以前の渓谷の道も知っている。人の勝手で道が出来たり死んだりしているのを見て来た。


この2週間で残雪トンネルは融雪が進み、トンネルも随分と危なく成って来た。
トンネルを潜って、スタート地点まで時間短縮の為にトコトコ走る。
今日は全部出し切った感で満足して振り出しに戻る。


帰り仕度をしてチャリに跨り、ぴゅ~と下って行く。秋の空と雲が広がっていた。

結局、前回のタイムを約2時間縮めた。登りの時間は大差ないが、やはり下りの時間で短縮できた。スピードが全てでは無いが、バランスを考えると下りの速さがものを言う。

今回の行動時間 11時間03分







2015年9月8日火曜日

雨天けっこう 越後三山縦走

秋の長雨の季節で予定が狂う。
予定は一週伸びた。

地元の山を、さんざん連れ回した番長に最後の課題を提示。この辺りの山道で、難関の行程
日帰り越後三山反時計回り。
天気予報だと午後から天気は崩れる予報だが、大きな現場を請け負って社畜と化した番長は、この日のほかにチャンスは無かろう。難関さえ越えてしまえば雨でも平気と高を括り、雨具持参を言い渡してヘッデン装備の早朝早出で決行。

大倉の森の駐車場に車を停めて、三山をぐるりと回りここへ返って来る。番長は12時間で何とか返って来たいと・・・。
ヘッデンの灯りを頼りに歩きだす。八海山大倉登山口 坂本神社より山道に入る。カランと賽銭箱に100円玉を投げ込み道中の安全を祈願する。意外と信心深い。番長はちゃっかりと無料の祈願をする。無料でお願いを聞いて呉れるほど世の中甘くない。どうなっても知らないよと思ったが口に出さない。
運動不足 寝不足で足取りは重い。ジグザグの登山道を登って行くうちに明るく成る。もう灯りはいらない。
ここが 風穴 だよ。この潰れた小屋が 地蔵小屋 だよ。この池が 雨池 だよ。とガイド気分でひけらかす。

廃れた道から大通りに出る。今や八海山登山のメインルート ロープウエイよりの道を行く。チョッと走っていい気に成るが、坂道に成ればすぐに歩く。てんでだらしない。

天気はまだしばらく持ちそう

番長 初八ッ峰

女人堂で一息入れる。ほんの一登りで千本檜小屋着。休みもせずに先を急ぐ。地元民のくせに、今回八海山の八ッ峰初通過の相棒だが空拝みで御利益が有るかね~。
へっぴり腰で鎖場を登り下りしている姿が面白い。笑っちゃ悪いが腹の中でウヒヒと・・・。

ここは勇気を出して行くしかない 

八海山最高地点の入道岳より難路の縦走路を眺める。入り込んだら行くしか無い道。逃げ場は無い道。
足元の悪い道を地形を楽しみながら最低鞍部のオカメノゾキまで降りて行く。両岸切れ落ちて気の抜けない個所も多々有る。慣れ親しんだ道を初めて来た相棒は慎重に進む。

安全は何事にも優先する

中ノ岳泊の三山縦走の若者とスライドする。この日スライドしたのは彼一人だった。

御月山を越えればオアシス祓川。
気温も上がらず、ガンガン登ってもそれ程汗をかかなかったので、水袋の中身はそれ程減っていないので補給の必要は無い。独りならここで長休みをするのだが、おにぎりを腹に入れて早々に発ち、最後の足場の悪い道を登って行く。
中ノ岳の小屋脇を通って山頂を踏む。小屋の中には誰か居る気配がしたが、山頂には誰も居ない。

番長は上着だけ合羽を着て行く

天気は予報の通りに崩れつつある。駒が岳への道に踏み込んだら、雲が湧き始め雨がぽつぽつ当たり出す。
九月の声を聞いたら山は秋である。なるべくなら濡れたくは無い。合羽を着るタイミングを計る。
後ろから猛烈な勢いで下って来る方が・・・。先程小屋の中に居た人だろう。
オイラは上下着る。相棒は上着だけ。どうせ汗で濡れるのだろうが、出来るだけ体温を奪われたくないので全装着する。個人の判断だが、オイラは直接濡れないようにと判断した。経験を積むと臆病に成る。

膝の関係で下りが苦手な番長を時々立ち止まり待っているうちに後方より勢い良く下って来たお二人に追い付かれる。お先にどうぞと道を譲る。お話を聞くと 裏三山を回っているとの事。

偏屈なオイラは、この 裏三山 と言う表現に疑問を感じる。山に裏も表も無い。オイラ達は 三山縦走 してますと言うと、あ~表ですか~と。だから裏も表も無いって。今、流行りのセリフだと だったら対案を出せ! と言われそうだが・・・。
越後三山縦走は古来修験道の方も 三山駆け と呼び修行の一つのカテゴリーに成っていた訳だから通称 三山 で宜しいが、長い間廃道状態の道を有志の方が整備して下さり、周回路は再び脚光を浴びたのはつい最近の事。誰が言い出したのか 裏三山。北ノ又周回で良いだろうに。

閑話休題
前を歩く人を追いかける習性が有るので、視界に入っているうちはガシガシと追いかける。脚にきた~と泣き言を言いつつも、後ろから 早く行け とばかりせついて来る番長に追い立てられて駒が岳山頂へ。
一足早く着いて居た先の人達と暫し語らう。さすがこの時間だと誰も居ない。立ち止まっていると身体が冷えて行く。上下着ていても冷える。これからの時期は、乾いてる着替えは必要。

雲の中 割り切って仕舞えば雨もまた良し

時計が気になるので、早々と山頂を後にする。グシガハナからの急降下ルート。ペースを番長に作って貰うべく先頭交代で降って行く。木の根を縫う急斜面。雨のお陰で滑り易い足元でスピードが出ない。時折雲間から姿を見せる八海山の姿で進捗具合を測る。番長が 今○メートルだよ と報告してくれるが、聞きたくない。気休めに放送中のバレーボールの話題などで気を紛らしながら、急な道を降りて行く。

突然圏外のはずの奥山の登山道で携帯が鳴る。何事?と思い急いで出ると、コウちゃんから飲み会の出席の催促。まだ歩いているから今日は駄目だよと返事をする。しかしこんな所で通話できたとは奇跡だ。

沢の音が大きく成って来たがなかなか着かない。覚悟を決めれば 雨の山もまた良し なんて強がってみるが、嫌になる。
脚が棒に成った頃 十二平 に到着。この時点で目標の12時間。後7km程歩かないと繋がらない。

まだ大量に残っている 左側のトンネルを行く

平地に下りて元気を取り戻してグングン歩く。毎年の事だが溶け切らずに残っている残雪に目を見張る。ぽっかり開いたトンネルを通過して振り返る。こりゃ溶け切らずにまた雪の下になるのだろうね~。

雲が立ち込めて薄暗く成って来たので少し走って時間を稼ぐ。そのまま荒山集落方面に行っても遠回りになるので、左岸側の廃れたサイクリングロードを歩く。大倉橋は架け替え工事で渡れなかったので良い判断だった。

歩き切った達成感。もう直ぐゴールと言う所で、再び電話が鳴る。

だから~今日は駄目だって~(笑)。



 

2015年8月16日日曜日

登り降り 清水峠

お盆休みを3日頂いた。初日と2日目の早朝は共同作業が有る。田んぼの害虫の駆除の消毒は雨天決行という訳には行かないので、初日の予定は見事に流れた。読書と音楽鑑賞で日を過ごした。
2日目は延期に成った害虫駆除と祭礼の準備を一度にヤッツケタ。慰労会と称して朝っぱらから酒を飲み、昼寝で晴天を潰してしまった。

残された今日の日を有効に使わねばと、そそくさと山の準備。さてどこに行こうか?。

ふと思い付く。何故か今シーズンは清水峠に縁がある。馬蹄形や 他の周回登山で都合3回眺めてる。それなら、清水峠を越えるだけの山行も良いと思い付く。
以前やった事有るルートだが記憶は忘却の彼方。思い付いたら行動しましょ。

清水から謙信尾根を登り峠を越えて土合へ。バスで行って電車で帰って来る。独りでも大丈夫だ。

清水行の始発のバスは6時50分なので、買い出しして朝飯食っての時間をみて家を出る。爽やかな朝の空気の中チャリを漕ぐ。このバスに乗ったのは2人だけ。通い慣れた道を高みの見物でバスの中。約30分弱で到着運賃470円也。よいしょこらとのんびりとスタート。

軽くジョグって、堰堤築堤現場へ向かう工事用の道路と化してる国道291号線を奥へ奥へと進んで行く。約40分走ると突然、大源太山が姿を見せる。工事道路に引っ張られて、渡渉点に降りる道を見失った。尾根は見えているので近くに河床に降りる道がある筈とキョロキョロする。勘は経験から導き出される。案の定すんなりと見付かる。
朝露を掻き分けて、以前来た時とスッカリと様子が変わった謙信尾根への渡渉点で先行者が途方に暮れている。尾根の取り付き点が見つからないらしい。目を凝らすと目印のテープらしきものが見えるので偵察に行く。途方に暮れる間もなく発見出来たのでOKサインを出して一足先に登りだす。



どこの尾根も大概登り出しは急登なのである。ひと汗かき始める頃勾配も落ちついて登りやすい道となる。木々の間から標高のわりには見事な岩峰がチラチラと姿を見せる。あそこの膝元の丸ノ沢を滑ったのだと独り胸を張る。
送電線の巡視路も兼ねてるのだろう、よく踏まれ手入れも行き届いた道をゆく。
対岸の山肌に大工事の痕跡が見える。この豪雪地帯の山肌に道を切ろうとした。完成して一冬で打ち捨てられた。


陽は陰り、上州の空は雲が優勢。結構強い風が吹いている。風が集まる場所。
見慣れた三角屋根の影で休息する。汗でずぶ濡れの身体からどんどん熱が取られて行き、寒い。ふと見ると馬蹄アタッカーがぐんぐんと笹の中の道を登って行く。本能で追い掛けそうに成るが、こちとら帰りの電車の時間が決められた身。大人しく昔の旅の人に成り峠を下るのだ。
若い旅の衆が先行して峠道を降りて行く。沢の仕度だから宝川方面の沢を登り、こちら迄足を伸ばしたのだろうと判断。間を置いて同じ道を行く。

当時の土木工事の痕跡を感じながら緩やかな道を歩く。先の若い衆が落としたと思われる物を拾ってしまったので追い掛ける。走りやすい道だ。当時は荷車を引いて登れるように切った道だろうから、緩やかに斜面にへばり付きながら等高線に逆らわずにグネグネと続いて行く。落としたよ〜と手渡して恐縮される。いいからいいからと良い人みたいにかしこまる。それではサラバと速い人振って颯爽と去る。
トコトコとペースが出来た。沢付近は道が荒れる、尾根になると昔ながらの広い道。同じ様に繰り返す。1時間ほど走って蓬峠への分岐点そして白樺小屋。もう少し下って新道と旧道の分岐点。どちらを行くか迷うが、ここは旧道に拘らねば。距離は長いけど・・・。


トコトコと走れる所は楽しい。足場が悪いが沢は心が和む。旅人は水を見ると安心する。背負った水袋はそれ程減ってはいないけど・・・。古の旅人はどんなに心強かっただろう。

走ったり徐行させられたりを繰り返す。GPSを出して現在地を確認する。まだ沢山歩かないといけない。帰りの電車に急かされて冷や汗が出る。のんびりなんかしちゃいられないので休まずにトコトコ。こんなに急かされるとは思っていなかった。


芝倉沢を過ぎると人の気配がする。道も広くなり、林道の風情。幽ノ沢を過ぎれば、散策の人が居る。もうすぐだがまだ長い。間に合いそうだがのんびり歩いていると危ない。めぼしい景色だけ写真に撮って、目に焼き付けて。


一ノ倉沢 マチガ沢と見上げて舗装道路を急ぐ。地形を辿り、思いの外長く歩いてくた~とする。
駅に向かってトボトボ歩く。頑張ったので電車に乗れる。お盆なので 人食い山 に散った若い命の慰霊碑に手を合わす。


娑婆に帰り着き駅前の河原で汗をぬぐい、臭くないシャツに着替えて駅舎前で遅い昼飯を取る。
下り線は沢山階段を降りた地下に有る。大きな荷物を担いだ岳人と物珍しさで来た人々と一緒に階段を降りて行く。ホームは寒い。大きな音と共に電車が来た。

距離 約25km 行動時間 約6時間



2015年8月9日日曜日

裏巻機 新道~旧道周回

すっかり夜が明けるのが遅く成り、永松発電所の鉄管路脇に着いた頃は、まだ薄暗い。ヘッデンを点ける程では無い。勝手知ったる夏草の道に踏み込む。
朝露は無く、なんだか蒸し暑い朝。夕立日和だな~なんて思いながら足早に坂道を登って行く。
すっかり明るく成った頃に、調整池に着く。

チョックストーン滝 

渓谷美を見ながら歩き、景色に目を奪われて大切なものを見落とした。気が付けば、取入れ口まで来ていた。はて?新道の入り口は何処だったっけ。
タブレットのGPSで確認するが、ニゴマン図はうその表記をしている。結局自分の目が頼り。きょろきょろしながら15分程のタイムロスで新道に入る。

大窪沢の渡渉点はスノーブリッジだった

まだ道の手入れに入っていないらしく、結構草が伸びて不明瞭な個所も有る。おまけに急な斜面は踏ん張り所も無く、一歩一歩を大切に踏みしめないと登って行けない。お陰で息も切れないし汗も出ない。朝日を浴びてなかなか捗らない行程に嫌気がさす。ここにロープが欲しいな~ とか 倒木が邪魔だな~ とか、勝手な事を思いながらうんざりし始めた頃、巻き道は下り道に成り、渡渉点へ降りて行く。
残雪の涼しさで生き返り、対岸の尾根への取り付き点を確認して一休みする。

昨年は、この行程の逆を回った。嫌なことは覚えている。急な悪い道を苦労して降りた。今日はその道を登る。
年に何人の岳人がこの道を歩くのだろう?。踏みしめられていない道は、脚の置き場が無い。ズルリと滑る。ロープにしがみ付く様に、這いつくばる様に獣の姿で登って行く。獣ならひょいひょいと駆け上がるのだろうが、人間様は獣の真似は出来ない。じれったく成る様な早さで、にじり上がる。

良い塩梅に焼けつく日差しは木々に遮られ、涼やかな沢風が背中をなでる。苦労している姿を見ていらっしゃる方が居られる。折れそうな心のままでは可哀想にと背中を押してくれる。
急な斜面はいつしか緩やかに成り、橅や岳樺の林から、灌木の中の道になる。仕事がしやすく成ったのか、この先は脚元の草を刈り払って頂いた様で、明瞭な道を歩く事が出来る。

苦労も吹っ飛ぶ優しい景色

灌木帯も抜け出るとたおやかな斜面が広がる。草を刈って頂いた仕事の後が、ラインを引いて伸びている。緩やかなペースに成れてしまった脚は早くは動かない。一歩一歩踏みしめたペースそのままで割引岳山頂に着く。登り始めて4時間37分。清水からなら登って降りている時間だ。同じ場所に立つにも、道が違えば時間も違う。見て来た景色も踏みしめて来た土も違う。いつもより少し誇らしげに景色を見渡しながらおにぎりを頬張る。今日は漬物も買って来た。甘い水に飽き飽きした味覚には丁度良い塩加減。

お決まりの スマイル

のんびりしか歩けなかった脚は疲労感は無い。牛ヶ岳に向かってグングン歩いて行く。人気のお山なので、山頂付近は早い時間でも、気の早い岳人が行き来している。
適当に挨拶を交わしながら、牛ヶ岳へ。
オイラが来るのを待ち構えて、「シャッターを押してくれませんか」と言う人が居る。少し立ち話をする。井戸尾根を登って来て、ヌクビ沢を降りると言う。「止めて置いた方が良い」とお節介なアドバイスをする。幾ら一般ルートとして山歩きの地図に載っていても沢を下るのはセオリーに反する。「再度訪れた時に沢を登って尾根を下ったらどうですか?」と、やんわりと否定して納得して貰う。
「それでは」と別れて、旧道を下る。
きょろきょろ見渡して思うのは、斜面が雪をまとった姿。ラインを引きたい斜面がそこには広がる。

ライン引き放題だな

こちら側の道も刈り払って有り安心して歩いて行ける。
それ程汗はかいていないが、身体は水を欲する。沢で冷たい水をたらふく飲み。欲をかき、空いた水筒にも満タンに詰めて満足する。
急に多く成って来た雲にいなな予感が湧き、脚を早める。でも、此方の道も早めようにも早められない。歩かれていない道はふかふかで脚には優しいがスピードは上げられない。
それに、視界が開けた尾根道からは目を引く景色が次々と現れて、脚を鈍らせる。仕舞には、ザックを下ろして地図と地形を見比べて納得させられる始末で、捗らない。

ほっと一息

一位や五葉松の根が絡んだ細い尾根を降りて行く。足場が有るから急な斜面でも何とか降りていけるが、やはりロープなり手がかりが欲しい個所が有る。そんな所は、笹を纏めて掴んだり、枝を掴んだりして恐る恐る降りる。
沢音が近づき、渡渉点に降り立つ。水は緩やかに流れ、陽の光をいっぱいに受けた開けた河原だ。ここで顔を洗ったり、行動食を腹に納めたり。

緊張させられっ放し

さて、今日の核心部の嫌らしい岩場の高巻き。登り返す高度もそうだが、足を滑らせたらサヨウナラ的な所の連続。岩質自体は靴底の摩擦が効くのだが、バランスを崩せばお終いである。ここも結構ロープの張り方が大雑把で、この位な所大丈夫でしょ 的な・・・。ここは山慣れした(整備された道ばかり歩いていちゃだめだが)場数を踏んだ肝っ玉が据わった人でなくちゃホイホイとは行けないだろう。オイラもへっぴり腰でソロリと進んで行く。

エルキャピタンみたいやな~

足元に、発電所の取入れ口が見えて一安心。後は、渓谷美を眺めながらの遊歩道歩き。
鼻歌交じりに歩いて行くと、救助隊の面々が作業を終えて休んで居った。新道の草刈りをしてきたみたい。明日からは明瞭な道を歩ける。

天竺の里からは車道を駆け下りてスタート地点に帰る。26km 約10時間。
アスファルトのゆらゆらした熱気に、思わず自販機で〆のコーラ。

2015年8月2日日曜日

万太郎~蓬峠周回

朝4時15分に迎いに行きます と電話を貰ったのに、15分も早く番長はやって来た。
目覚ましに叩き起こされて、寝ぼけ眼のまま荷物を外に出しに行ったら、すーとやって来た。
荷物を出してからトイレを済まして、顔を洗って歯を磨いてと思っていたのに、来るの早ぇ~よ。
出した荷物をそのまま番長号に積み込んで、予定よりも早く出発。朝飯の牛丼を掻き込んで、途中で買い出しを済まし土樽に向かう。

久し振りの番長よりお山のお誘い。
「土樽から万太郎山~谷川岳~蓬峠の周回コースを歩きましょう。」

「いいね~。喜んでお供いたします。」となった訳です。

吾策新道の駐車スペースまで行ったら下山後の車の回収に時間が掛かる。オイラはいつも橋を渡ったカーブの所に路駐して徒歩で登山口に向かうので、その様にしたらどうですか?。
・・・。

登山口までトボトボ歩く

支度を整えていそいそと歩きだす。高速道路を潜りずんずん歩いて吾策新道に取り付く。今日は番長にペースを作って貰いましょう・・・だが、いきなりの急登をガシガシ登るもんだから、とても付いて行けない。息も絶え絶えでくっ付いて行く。とても持たないので一息入れた隙にトップを変わってオイラのナチュラルペースで行かせて貰う。普段は自分がガシガシ登って、ひーこら付いて来て貰っているのに勝手な事を言っている。

蒸し暑く朝日を浴びるので、既に汗だくである。
山々が霞んでいる。何だか蒸し暑い。う~ん夕立が来そうな気配する。
今日の仕事を見ながら頂きに近づく。さすがに高度を上げると蒸し暑さは無く成る。分岐の標識が遠目に見えてからなかなか近づかない。

これから山波を越えて行く。

万太郎分岐に着いて、山頂まで行く?と聞いたが、珍しいく いいです と答えが返ってきた。それならとここで一息入れて、せっかくの高度を落としてまた登り返す。稼いでは払い戻す。谷川岳までこれを繰り返す。
やれ今日は脚が上がらないとか、歳は取りたくないとか言い訳をしながら、歩いて行く。
肩の小屋でコーラを買って飲むと言う鼻先の人参で前に進む。右の脚を出し左の脚を出しこれを繰り返していれば何とか前に進んで行く。

山頂独り占めで有る。

ロープウエイが止まっているお陰で肩の小屋周辺はひっそりしていた。普段ならごった返している所だが、ベンチを占領して冷えたコーラをプシュとやる。暇を持て余した小屋番の方とあれこれとお話をして、それではまた参りますとザックを背負う。人影まばらな谷川岳を満喫する。いつもは人込みを嫌ってスルーするに山頂に長居する。この状態を見ると、いかにロープウエイ登山者が多いかと呆れる。

辺りに雲が多く成って来たので先を急ぐ。馬蹄形アタッカー風の方がやって来たので声を掛けると「暑いので諦めて引き返して来ました。」とのこと。夜間の交通規制が有って、早着きできずに、早朝早立ちで距離を稼げなかったのか?まあこの暑さなら賢明な判断でしょう。
茂倉岳まで時間が掛かって仕舞うようだったら、茂倉新道を降りましょうと番長様は行っておられたが、順調に歩けて余裕たっぷりなので、予定通りに行きましょうとの指示を頂く。ハイ、そうしましょう。

色とりどりの花を掻き分け進む

しかしこの山域にしてはスライドする方が少ない。暑さを警戒して山歩きを控えているのか?。たまに擦れ違う方も皆大汗をかいている。陽に焼かれると確かに暑いが、お天道様が御隠れになると、それ程では無い。有り難い事に雲が湧き始めて直射は免れてそれ程では無い。
数週前に歩いた馬蹄形縦走で苦労して登った茂倉岳の登りを今日は降る。登りはキツイが降りはらくだ。花の名前は知らないが、赤い花 白い花 黄色い花 夏の花が盛りである。

武能までの登り返しは、現れたお日様に焼かれ結構暑い。登り切った所で、遠雷の音が聞こえ出す。振り返るとモクモク雲が谷川岳上空に。こりゃヤバイと蓬ヒュッテに向かって駆けだす。オイラはまだ大丈夫とは思ったが、番長が怖がり出したから付いて行く。山は怖がり位が丁度良い。経験を遥かに超える現象が起きる所だから。

改築なった蓬ヒュッテ

改築工事を済ませた蓬ヒュッテに辿り着き空の様子を見る。見た限りでは雷雲が迫って来る様子も無いので最後の大休止。建物の内部を見学した後、残りの食料を綺麗に腹に納める。
水袋の残量を確認するともう殆ど残っちゃ居なかった。これだけ汗をかけば身体は水分を欲する。汗っかきの体質を呪うがこんな風に生まれて来たので居た仕方ない。飲みたい時に飲む。まあそれで良い。

水場で補充

後は降るだけ。途中の水場で冷たい水を口にする。必要無いが、空っぽの水袋を満タンにして背負う。優しい道をとぼとぼと歩く。

どうやら車に帰り着くまで雨に降られずに済みそうだ。


距離 約25km  タイム 8:38