天気予報を観ていたら大きな移動性の高気圧がやって来た。
こりゃ全国的に良い御天気に成りそう。
丁度ナイター勤務のみの日なので、16時半位に出勤すれば大丈夫な訳で、
チョッと近場のお山に今季初の山滑りに行って来ました。
朝飯を食って、散乱している装備をかき集め家を出発して15分程で登山口に到着。
結構奥まで除雪して有るな~?と思ったら、堰堤の補修工事をしていた。
先行者の車が3台停めて有るのでオイラのスペースは無い。
さて如何したものか・・・と考えていたら工事関係者の人がやって来たので、
駐車しても大丈夫か聞いて、指示されたスペースに駐車して彼とちょっと世間話。
この冬は雪が多くて工事が捗らないとぼやいていた。
あちこちから除雪の依頼も有ったりでなかなか大変だったそうだ。
さて、ぼちぼちと出発。
ストックの痕からすると先行者は4人ですな~。
有り難くトレースを使わせて貰います。
普段なら歩き出しから薄着で行くのだけど今日は放射冷却で、
キーンと冷えて-8度なので、いつもの行動着の上に薄手のフリースを着ていても汗が出て来ない。
それどころかまだ寒い。
何時までもラッセル泥棒をしていては心苦しいので、
先行者に追いつくべく早足で進むとようやく身体が温まってきた。
先行者には鉱山の坑道跡の沢の分岐で追いついた。
朝の挨拶とトレースを使わせて頂いたお礼を言うと、
「いや、前に単独の方が居るのでその人がラッセルをしてくれて、
俺達も使わせて貰ったんだよ」とのこと。
確かにトレースは夏道のジャバミ沢方面に続いているが、このトレースを使う訳にはいかない。
オイラはこのトレースとは別れていつものマゴタイ沢にスキーを向ける。
ここからラッセルが始まったのだが、ブーツ丈のラッセルで、
雪も意外と軽いので全く苦にならない。
お天気が良いと動物達の活動も活発らしく うさぎ テン カモシカ などの足跡が沢山有る。
カモシカ君は胸位のふかさに潜りながらもぞもぞと移動している。
まだ身体が小さいので若いカモシカくんだな。
北側の深い沢にやっと朝日が差し込んできたけど、多分稜線に出るまで陽を浴びる事は無い。
チンタラ歩いて高度を稼いで振り返ると良い景色。
しかし良い御天気だな~。
対岸のアバランチシュートから陽に温められて、小さな表層雪崩が始まっているが、
ゆっくりと流れ落ちて来る程度で問題ないだろう。
底雪崩の兆候も見られないので雪崩の心配はなさそう。
今登っている斜面も、表層雪崩のデブリの上に2~30㎝の積雪で、
この斜面自体が雪崩る事は無いが、周りに注意が必要。
しかし、見渡しても落ちそうな雪庇も無いし、冷えているので表層の心配も無さそう。
秘蔵のパウダースポットには良い雪が積もってます。
この時期に来たのは久しぶり。
この山に来る方は意外とここを知らない様で滑った痕跡を観ることは稀です。
かえって皆さんは何処を滑っているのか興味が有ります。
ちょっと集中的にこの山の良いルート探しをしたく成って来た。
ふ~、やっと稜線に出て向こう側の景色を拝みます。
でっかい巻機山の下に三国川ダム。
正しく絶景!
稜線にに出てから、途端に雪が重く成り一歩一歩が辛いです。
何度も来ている山頂なので、行く必要無いからここから滑っちゃおうかな~。
でも、せっかくの良い御天気だしキツイけど行く事にしました。
山頂を踏まないと気が済まない山家の性か・・・・。あほらしい。
雪質からしてこの斜面の滑りは期待薄。
逆光に巻機山が映えます。
こっち側も良さそうな斜面が沢山有りますが、何処も彼処も登り返しが必要。
五十沢方面に滑り下りれるルートは無いかしばし観察するが、
リスキーなルートしか無さそう。
でも、チャンスが有れば行けそうな所も有る様に見える。
しかし巻機山は奥深い。
広い雪原の上の山頂に到着!。
阿寺沢方面に張り出した雪庇を踏みぬかぬ様に景色を眺めます。
さすが魚沼三山の長男! 中ノ岳は迫力が有ります。
ここも御月山から黒又沢に落ちるルンゼの滑降記録を見た事が有るが、
これまた、かなりリスキーなので、変な気は起こさない様に・・・。
八海山・・・・もしかしたら、あの沢 を滑る良い機会だったかも。
こんな条件の整った日はそうそうないので今日が その日 だったのかも・・・。
さて、お昼はどうしようかな~。
それ程、腹は減っていないのでしばし休息して、滑走の準備に入ります。
昼飯は、家に帰ってから食えば良い。
ヘルメットを被って、シールを剥いで畳んで、バックルを締め直す。
このいつものルーティーンで気分は滑降モードに切り替わり、
心臓がバクバクしてアドレナリンが放出されて来ます。
滑りだすと、別ルートで登った先行者の方々があらぬ方向からやって来ました。
益々何処を登って来たか気に成ります。
もっと良いルートが有るのかな?。
まずは、緩斜面を重い雪に手を焼きながらだらだら滑り、
メインのパウダースポットにドロップイン!。
北斜面なので、ほとんど日光の影響を受けていない軽い雪。
正に極上のパウダーラン。
久々にお山で極上を頂く。
ハイスピードで滑り落ちて行く。
ゲレンデでは味わえない感覚。
これを知ったから山滑りは止められない。
極楽斜面をあっという間に滑り下りて振り返る。
たった今滑り下りて来た痕跡を見上げる。
至福の瞬間。
余韻に浸りながら自分の付けたトレースの上を滑って帰る。
途中、カモシカ君がオイラのトレースを辿って登って来たが、
オイラの存在に気付くとひょいと脇に避けて、オイラが通過するとまた元に戻り歩いて行った。
その図々しさに笑いが込み上げた。
野生生物のたくましさ。
全行程約5時間半。
帰宅して、少し昼寝をしたりPCをいじったりして時間を潰してから出勤。
久しぶりに山に入って何だか元気が出た。
嫌な事は山に置いてきた感じ。
疲れているはずなのに身体に力がみなぎって来た感じ。
山って不思議だ。