自己紹介

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夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2015年11月23日月曜日

山を越えて 晩秋の巻機山

どうも最近は まあいいか~ と投げやり的に自分を甘やかしてばかりいる。夜ランや坂戸山トレーニングもすっかりご無沙汰に成り、脚力は落ちて行くばかり・・・現場のチョッとした坂道でも脚に来るようになった。困ったもんだね。

幾ら遠い冬の足音とは言え、来ない訳ではないし、そろそろ〆のロングを歩いておかないと決まりが付かない。フッと思いついた山歩きに行って来た。巻機山の山越えハイク。駅まで走って清水行きのバスで移動して井戸尾根を登り、牛ヶ岳より裏巻機登山道旧道を降り永松発電所に下山 家まで徒歩で帰って来る山越えコース。

最近ジジイに成ったせいで夜中に必ず尿意を催してトイレに起きる。今朝は3時に目が覚めてトイレに行きそれから眠れなくて寝床でゴロゴロしながら音楽を聞いていた。iPodをシャッフルにして流しっぱなす。ボブディランの 風に吹かれて が流れる。悩み多き人生だけど、答えは風の中に有るのだ。思いのままに歩けばいい。

前夜あれこれ考えて用意して置いた衣服を身に着けて駅に向かって走る。まだ薄暗い。ウインドブレーカーを着なくても良かったかもしれないと、コンビニで食料を調達する時に脱いだ。大きいザックだと走り辛いので、何時ものOSPREYのmanta20を背負って来た。雨具とツェルトを入れたらソフトシェルのジャケットを入れたらパンパン。この時期には汗をかいてはいけない。汗をかく様では着過ぎ。

少し焦ったが何とかバスに間に合った

運動不足が祟り、駅までの距離でさえ脚に疲労感が有る。何とか5分前に駅前のバス停に着いて、なんとか乗れた。バスに揺られながら朝飯代わりのパンを頬張る。25分程揺られて終点一つ前の西谷後で降りて歩きだす。何時も積雪期にスキーで登るルートだ。トボトボ歩いて桜坂まで20分。清水より歩くよりは近い気がする。登山シーズンも終わりに近く、賑わいの百名山も流石に閑散と言う状況か?駐車場もまばら。数人準備して居る。声を掛けて頂いたが、此方は存じ上げません。申し訳ありません。

踏み付け浸食が激しい

この頃は、この山には時計を睨みながら登っていたのだが、今日はのんびりと登って行く。現実的には急ぐに急げない怠け者の身体になった。

山登りを始めてから何度も歩いた道。人気のお山だけ有って道の傷み具合が酷い。昔はこんなに赤土や岩が露出してはいなかった。何処の山でも起きている問題なのだろうが、多くの山登りの人は当事者でも有り第三者でも有る。己の中にも第三者的な見方と当事者としての意識が有りジレンマが渦巻く。そろそろ五合目~七合目の登山道の保護が必要に成って来たのではないか?俺に何が出来る?何も出来ない。ただ憂いているだけか。無力。

のんびりあれこれ考えて登って行く。ゴ~と山が鳴っている。風が強い。物見平の吹きさらしに出ると流石に寒い。薄手のシェルを羽織り手袋を装着。暖かい手袋は忘れて来てしまったので、ザックの底に入っていた作業用のゴム手袋。見っとも無いが格好つけて居られない。
霧が渦巻き景色は見えたり見えなかったり。見えるものに集中せざるを得ない状況。当たり前なのだ。今居る所を見ずして何処を見る。遠くを見て浮気をしている人が多い。

ニセ巻から木道が整備し直されて大変歩き易く成った。避難小屋は既に雪囲いがして有り、避難できない。この時期はそれを認識した上で登って来なければいけない。寒いとか雨や雪に降られたとかでも逃げ場は無い。気安くタクシーの代わりにヘリコプターを呼ぶのが流行っているらしいが・・・。

御機屋までも木道が整備された。有り難い。貴重な草花を踏まなくて済む。
水溜りには薄氷は張っている。
寒い。
既に降りて来る方が居る。「寒いですね」が挨拶の代りに成る。

登り始めて127分。この位のペースだと楽に登れる。100分切りがノルマだと流石に辛い。この日、後から登った番長は90分切ったらしいが・・・。ダイエット成功してから本来のアスリートの本領発揮で絶好調な奴。オイラも薄っぺらな過去の栄光にしがみ付いて行かねばどんどん置いて行かれる。年甲斐も無いのだが、もう少し頑張らねば。

お決まりのスマイルも凍ってました

エビの尻尾も寒さでレンズ内が曇っている 使えないカメラだ


あまりの寒さにメモを取る手がかじかんでおぼつかない。ソフトシェルとフリースの帽子を引っ張り出して着込む。割引岳まで行く気力が失せて、真っ直ぐ牛ヶ岳に向かう。霧の粒が風で吹き付けて来るので体感気温は酷く寒く感じる。このままこんな恰好で稜線に居たらたまらないので、急いで高度を下げるべく、牛ヶ岳まで急ぎ、早々に下山を始める。

緩やかに降りて行く

歩く人が疎らで、水を含んだ地位植物が覆う道は酷く滑る。そろりそろりと坂を下る。勿体ない位に綺麗に刈り払って頂いて有り有り難い。バスの中で食したっ切り腹に何も入れては居なかったので、空腹で有る。寒さでそれにさえ気づ付かなかった。標高を落として、お日様に当たって気が付いた。めぼしい岩に腰を下ろし景色を眺めながらの昼食にする。裏と表では山の造りが違う。険峻な渓谷を見下ろし、たおやかな稜線を見上げる。多くの人は一つの方向から見て知った気に成っている。贅沢な事をしていると気が付く。

有り難く手入れの入った灌木帯の道を降りて行く。木々の葉は落ち切って見通しが効く。足元は落ち葉が敷き詰められてズルリと滑る。落とした葉っぱを養分として木々は大きく成るその連鎖で森は生きて行く。そんな風に生きていけないものか?。独りで歩いているとそんな事を考える事が有るが、大半はお姉ちゃんの事や美味いもの食いたいな~って俗な事な訳だが。

数年来の課題の裏巻機渓谷横断スキー行だが、やはり牛ヶ岳より本谷沢(巻機沢)と東ノ沢の間の斜面を滑り、蛭窪小沢の樹林帯から大兜山に登り返すしかないだろう。裸の木々の間から見える山々を偵察しつつどんどん高度を下げて行く。橅ノ木平の広い尾根を離れ、五葉松の細い尾根を木の根を足掛かりにそろりと進んで行く。沢の音が大きく成る。尾根を離れ足場の悪い急斜面をロープの連続で降りる。渡渉点に着いてホッとして、対岸の高巻きの険しさにうんざりする。

しばしの休息の後、飛び石伝いに対岸に渡るり、急斜面に取り付く。前回、周回登山の時来た後に整備に入って下さったらしく、刈り払いが行われていて随分歩き易くは成ったが、相も変わらず、踏み出すには躊躇する様な岩場のトラバースにはロープのプロテクションが欲しい。その辺の整備が薄いのでやはりここは歩く人を選ぶ道。

嫌らしい高巻きの道もここまで降りてほっとする

急峻なのっぺりした岸壁の下に有る発電用の取入口まで降りて来て緊張がほどける。沢底を眺め、渓谷の不思議な地形を眺め、眼福ご馳走さまですと感謝しつつ岩を穿って付けられた道を気楽に歩いて、発電用水の調整池で一息入れる。

走り易い鉄管路脇の道 嬉々として駆け下りる

天竺の里の舗装道路に引っ張られて降りてしまいそうになるが、思いの外長いと前回で懲りた。おとなしく何時も通りに鉄管路脇の道を駆け下りる。頑張って歩いたご褒美の様な歩き易い道。スタスタと降りて発電所の対岸の道に出る。たまたま携わっている現場が真下に見える。
後は小一時間スタスタと走れば家に帰り着く。

バス移動を含めた行動時間 10:03
徒歩での移動距離       30.8km


2015年11月3日火曜日

高倉山散歩 2015


2週間続けて休みが潰れた。空気は冷たくなり日もめっきりと短くなって、高い所は薄っすらと白く成った。
もう、あまり無理は出来ないので、締めにちょっと長い距離を歩こうと決めていたのに、寝坊してバスに乗り遅れるそうな時間に起きてしまった。大急ぎで出かければ間に合ったかも知れない。でも、何だかやる気がプツリと切れた。
外を覗くと曇りがちだが、青空も見えている。家人の為に、豆炭こたつに火を入れて、のんびりと朝食を取り新聞を眺めている間に日が指してきた。ポカポカ陽気に誘われて、近所の低山に登ることにする。
気楽な散歩なので、気楽な装備をザックに放り込む。最近は持ち運ばなくなった物。一眼レフカメラ ガスバーナー クッカー ドリップコーヒー ダウンジャケット。
日向ぼっこの猫に見送られて、チャリに跨がる。風を切ると寒いので、厚着をして来たら汗をかいた。



約20分程で、高倉山の登山口に着く。道すがらのお寺さんの前の石仏をカメラに収める。石工 太郎兵衛の作。素朴な力強い作品。


登山口は、廃れ果てた別荘地のどんづまり。数年前の大雨の災害復旧工事現場だ。関係者だろうか、2人話し合っている。チャリを漕いでは登れない急坂なので、押し上げながら挨拶をする。築堤された堰堤の左岸を巻いて被災前の道跡に降りて、マーキングに導かれて登山道に入る。




新しい足跡が有るところを見ると、先行者が居るようだ。こんな所にも登りに来る方もいらっしゃる。
首から下げた重いカメラで遅い紅葉を切り撮っていく。ファインダーを覗いてパシャっとシャッターを切る感覚が懐かしい。急な山道をのんびりとカシャカシャやりながらのんびりと登っていく。背中から暖かな陽の光を浴びていると、ゆっくり歩きでも汗をかく。


急登を登り切り、山頂に近づく。先行者が休んで居られる。こんにちは と、挨拶をしてザックを下ろす。グルリと見慣れた山を見回す。ここは穴場的な展望台。山の説明をしながら、湯を沸かしコーヒーを淹れる。日が陰るとやはり寒いので、着込めるだけ着込んで、再び湯を沸かしラーメンを食す。日向ぼっこしながら、山を眺める。思うのはスキーに適した斜面は、そんなに標高の高い所に行かなくても、身近に有るのではないかという事。近所の低山を彷徨い滑るのも有り何では無いかな。
1時間ほどぼんやりしていた。12時のサイレンが鳴る。毎月1日の日にはお昼にサイレンが鳴る。良い頃合いなので、荷を纏めて、お先に失礼します と挨拶をしてスタコラと降りて行く。
とんだ予定変更の低山歩きだったが、のんびり出来て楽しめた。せかせかした事ばかりでは無く、こんな事もリフレッシュ出来て楽しい。