先週の頑張りが脚に溜まってなかなか抜けなかった。昨年までは、衰えを日々のささやかなトレーニングで食い止めて居たけど、怠けものに成っちまったおかげで、誤魔化しきれなくなった。身体は正直者である。
来週は、今年唯一エントリーして居るレースに出る事に成っている。かなり坂を登って下ってのフルマラソン。全く走って居ないのだが、番長も早々にエントリーしたので、何となく軽い気持ちで今年も出る事にした。昨年は、走り終えた後は 二度とこんなキツイレースには出ないぞ と、言っていたはずなのにね。おかしなもんだ。すぐ忘れる。
そんな訳で、疲労が残らない程度の山歩き。
思いついたのは 飯士山。イイジスライダーである。
チャリンコを漕いで登山口に向かう。五十嵐登山口だ。ここは、多くの登山地図にはルートとしては表記はされていない。
廃業して久しいファースト石打スキー場に向かう。鎖で規制されている道路を登って行く。普段頑張って自転車に乗っていないので、坂道はキツイ。時おりポツポツと雨が当たるが、すでに汗で濡れているからそれ程気にはならないが、気分は宜しくない。
クルクルと軽いギヤを踏んでいる。あともう少しの所で心がポッキリといってしまい、降りて押して登る。
杉林の中に入り込んで行く道が有る。飯士山登山口 山頂まで2時間 との標識が有る。チャリンコモードから登山モードに切り替えて登り始める。餅は餅屋。山歩きは楽チンである。
杉林の良く踏まれた道を登って行く。しばらく行くと分岐点に成る。負欠岩コースと尾根コース。以前来た時と同じく負欠岩コースを登り尾根コースを降りてくる予定。
良く踏まれて明瞭な道だが、手入れはされている感じは無い。元気な草が伸びて、露で身体はすぐにずぶ濡れに成った。灌木が横に枝を伸ばしている。そこを潜る様に進むと、沢状の滑り易い岩を登る様に成る。きのこの群落を見つけたが興味がないのでスルーする。
頭上の邪魔な枝が無くなり、岩場にでる。イイジスライダーである。数年前にここを滑った。冬季の職場から日々観察している斜面。ベストなタイミングは何時なのか観察して決心が付く前に斜面にクラックが入り始める。その時は、既にクラックが入り、その上に再度積った後に斜面に入った。悪い雪質と隠れたクラックに足を取られて、敗北感と共に降りて来た。今度は良い時期に行きたいもんだ。
濡れたスラブ状の岩場は滑り易く登り辛い。負欠岩(笈掛岩と書かれた書物も有ることからオイカケイワと読むのだろう)を眺めまわして険しい道を登って行く。浸食の具合でこの岩だけがにょきっと突出している。良く見ると古いリングボルトや新しいプロテクションが打ち込んであるので、物好きな岳人がクライミングの練習に使って居た様だ。基部には○○行者と彫られた石塔も有る事だから、山岳信仰の道でも有ったのか?。前記の笈掛岩の笈とは修験者が仏具や衣類などを入れて背負う箱であるから、本来は笈掛岩が正しいのかな?。
死火山であるこの山の岩部が露出した岩場をロープを頼りに登る。この道は実に一般的では無い。不慣れな者は手こずる道だろう。
上り詰めると、西峰だ。イイジスライダーのドロップインポイント。尾根コースとの分岐にも成っている。何だか優しい顔つきのお不動さんが安置されている。オイラも賽銭を納めて何か良い事が有りますようにと都合の良いお願いをしてみる。
少し下って急登を登り切ると山頂。あいにく雲の中で景色は見えない。湯沢町で開催されているマラソン大会のアナウンスが聞える。標高1112mで三等三角点が有る。全身びしょ濡れはこの時期は辛い。さっさと腹ごしらえをして下山する。西峰まで引き返して尾根コースを降りる。こちらも登りに引けを取らない険しい道だ。ひょいひょいと降りられる道では無い。ロープを頼ったり、草木を掴んだりしながら慎重に降りる。
斜度が緩んで若いブナの林を行く。やけに細い木が多いと思っていたら、炭焼き窯跡の標識を見つけて納得する。木を切り炭を焼きその跡に生えた木だからまだ若い木なのだ。
小さな沢を渡り尾根を越えて分岐点に出る。途中で拾って来た山栗を握りしめて杉林の中を駆け下り舗装路に出てお終い。チャリンコモードに切り替えてピュ~と下って行く。
チャリンコ移動距離 往復48㎞
山への滞在時間 約3時間