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夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2015年3月29日日曜日

巻機山 2015春

身動きが取れなくて、今シーズンの山滑りは中ら諦めていた。そんな時、番長から「シルバーラインが開いたら、駒が岳に行きましょう」と連絡が入る。
しかし、なごり雪の影響で、日曜には開く予定は無い様なので、お手頃の巻機山に行くことにした。
残雪期の山での番長の力量は未知数なので、念を入れて早立ちする事にして迎えに来て貰う。コンビニで昼食等を買い求め、いつもの雲天前の国道に路駐。
前日に、職場から双眼鏡で観察して居た限りでは、かなりの人が入って居た様子。果たして今日はどんなもんだろう?。

番長は、朝食は済ませて来たようなので、先に準備をして貰っているうちに、コンビニ弁当の朝食をとる。腹が減っては戦は出来ぬ。朝食がその日の行動の全てだ。

              

日の出前の空に飛行機雲。良い日に成りそうだ。

番長はスノーシューを履き、ザックにかんじきを括りつけた妙なスタイル。下りはかんじきの方が歩き易いそうだ。オイラは、2年ぶりにカルフのJAKを現役復帰させて、靴はエクスカーション。この組み合わせは初めて。果たしてこの靴でこの板を回せるか心配だが、やってみるしかない。


番長は足元軽やかに、ガシガシと先を進んでゆく。オイラは付いて行くのに精一杯で、既に汗をかき始めたので、声を掛けて体温調整の為に上着を脱いだり、ベンチレーション開けたり。
後ろから、ルートを指図しながら進む。比較的暖かくて、クラストしていない。井戸の壁は、前日に痛めつけられて、シール登高では厳しいので、無数に有るステップを利用すべく板を手に持ちツボ足で登る。こんなに斜面が荒れて来るように成ると、普段なら巻機には、このルートからは登らないが、今日は特別。深沢やノミオ沢にも目が行くが、今日は番長のお供と割り切って行く。

5合目より雪庇の張り出しが無い斜面が、米子沢に落ちている個所が有る。前から狙っていた斜面なので、一応ドロップポイントにマークをして上を目指す。
今年は雪は多いのか?何時も目安にしているダケカンバの木で確かめたところ、平年より1mは確実に多い。

高校生の山岳部の大群と遭遇。母校の山岳部の姿も。顧問は知り合いの方なので、ご挨拶。何でも、4月にこの山域で県の高校山岳部イベントが有るらしく、その下見的な登山だそうだ。下に高校生が宿泊する山小屋が有るらしく、昨晩はそこに泊ったそうだ。

ガシガシと先を急ぐ番長に「そんなに急ぐな!」と声を掛けるが、脚がそうゆうふうに出来ているから、遅く歩け、俺に合わせろと行ったところで無理なのだろう。好きに行かせる事にして、オイラは、オイラのペースで行く。ちらりちらりと、米子の頭から柄沢山の斜面に目を向ける。この時期は、あちらの斜面が楽しいのだ。栂の沢に付いたシュプールを羨ましく眺めながら番長を追いかける。


崩れる予報の天気も何とか持ちそう。物見平で、先行者を捕えて、情報収集。休暇を取って、この辺の山域を滑っているとの事。羨ましい。足元を見ると、クトーを装着して、檜穴の段の急斜面を登るべく準備をした様子。確かに硬くは有るが、クトーを付けなくても登れるラインは有るのだが・・・。
それに、これだけステップが付いていると、無理してスキー登高をするよりも、板を外して、細引きでザックに連結して、引っ張りつつステップを利用して歩いて行った方が速い。最近はスキーを脱ぐ事は厭わない。こだわりなど捨てた。


ニセ巻に到着して、オイラは何時もの通りにブサ尾根の基部に向かって滑り下りる。番長とは山頂で落ち合う事にして、シールを剥いで適当にザックに突っ込んで、滑り込む。成れない靴と板の組み合わせ。読めない雪質で、足で探りながらの見っとも無い滑りで、欲求不満ぎみ。再びシールを貼り、ブサ尾根を登る。シュプールが多数ある。先日のものだろう。まだ新しい。
忠実に夏道を辿った番長と山頂で落ち合って、北斜面の偵察に行く。
稜線付近はクラストして嫌らしいが、覗き込むと陽に苛められていない斜面が広がっている。折角来たのだから、ここは一発滑って置きたいところ。
番長に1時間程時間を貰い裏斜面に滑り込む事にする。
ポイントはいつもの場所が良いだろう。シールを剥ぎ、ヘルメットを被り、滑り込む斜面に移動する。
最初の数ターンこそ硬く、ガリっていたが、そこから下は、快適な雪質で、一気に200M 程落とす。


季節外れの真っ白な斜面が広がる裏側の姿。ここを滑る人は数少ない。
殆どの方が、山頂から即米子沢に滑り込んで行く。
巻機の真の魅力は裏に有るのだ。30分~40分の登り返しをする覚悟が有れば、楽園に遊べるのだ。まさに季節外れの天国がそこには有る。この為に登って来る。


あまり番長を待たせて置くのも忍びないので、大急ぎで登り返す。この時点で脚は終わった。独りなら2度3度と滑っては登り返しをするんだけど、連れが有る身。そう我儘は許されない。
御機屋より何時ものラインを滑って、埋もれている小屋付近で待つ番長の元に向かう。1時間も待たせてしまって恐縮で有る。オイラはここでエネルギーを補給する事に。身体の冷えてしまった番長には、先行して貰い追いかける事にして。出発して貰う。
パンと水分を腹に収め、ニセ巻に登り返す。母校の山岳部員諸君が休んでいた。ここまで、先の高校生の大群は来たみたいだが、山頂に行ったのは我が母校の山岳部員のみだったみたい。何だか嬉しいね~。やるじゃん後輩(オイラは美術部だったので山岳部とは関係ないのだが・・・)。

後輩たちに見送られて、滑り出す。荒れた斜面に手を焼き、滑らない雪に転ばされて、それでも何とか先行して貰った番長に追い付く。陽にやられた雪は、見事にストップ雪に成り、滑らない。手持ちのペーパーワックスなど塗ってみても役に立たない。終わった脚には厳しい滑りが続く。

ガシガシと凄いスピードで登って来るスキーヤーが目に入る。タイツ姿で山岳スキーレースの様な装備。良く見ると、地元のスーパーアスリートのK君であった。ご挨拶して彼はまた凄いスピードで登って行った。これから山頂までだと普通の人なら遅い時刻だけど、彼は常識は通用しない人なので、問題無いでしょう。まして、オイラと同じ裏側を滑って来ると聞いても驚きはしない。感心するのみ。

滑らないスキーでも、歩くよりは早いので、スーと行って番長を待つ繰り返し。登りの時にマークして置いた斜面の様子を伺う。かなりの急斜面だけど、行ってみたいので、下で落ち合う事にして、滑り込む。斜滑降した時点で、湿雪スラフがザーッと落ちて行く。どうしても1ターン目にスキーが向かない。こんな時は行かないほうが良い。大人しく諦めて。往路を忠実に引き返す事に。

ズタズタの井戸の壁を手を焼きながら、それでも快適に滑れるラインを探して行く。2合目で遅れて来る番長を待つが、いくら経っても降りてこない。違うルートで降りたと判断して、滑らないスキーを無理に滑らせて駐車スペースまで帰る。
番長はすでに着いていて。コーラを冷やして待っていてくれた。

楽しかったのだが、どうも納得がいかない滑りだった。良い雪で滑れるのは当たり前。悪雪を無難に滑れて一丁前に成れるのだ。いくらゲレンデで上手く滑れても山で滑れないのならテレマーカーとしては如何なものだろう?。何だか浮かない気分で家まで送って貰って悶々とする。







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