登りは夏道の謙信尾根を使って清水峠には寄らずに七ッ小屋から大源太山への尾根を少し下って丸ノ沢にドロップインする予定で出発。
荷物は前日の夜に積み込んで置いて、6時前に家を出る。コンビニで食糧の調達をして清水に向かう。
除雪のドン詰まりに駐車して、買ってきたコンビニ弁当で朝食を取り、ダラダラと支度して7時くらいに出発。どう言う訳かストックがロックを解除しても伸びない。冷え込んだせいか中で凍ったみたいで叩いても無理矢理引っ張っても駄目。温かく成れば融けて伸びるだろうと諦めて、短いストックでバランスを取りながら歩く。
季節外れの新雪だが、下はカチカチにクラストしているので、斜面は登り辛い。
林道と言うか堰堤工事の作業道とでも言うか、まあ道通しに謙信尾根の取り付き点を目指すが、急斜面にへばり付く様な道は雪崩れの流路もそこここに有り、そう言う所は硬くて怖い。
砂防ダムを横目に見て何ヵ所かの難所を通り過ぎ東屋沢の開けた台地状の所で地図を確認したら、道を間違えた事に気付く。道は杉の林の所から下の河原に降りて行くらしいのだが、気持ちの良い杉の疎林に誘われて、急な崩壊地で行き詰まり、焦って何とか横滑りで下に降りたが、硬い斜面の上に雪がのっかっていてシールで隠れているエッジが効かなくて少し怖い目をした。堰堤を越えると直ぐに尾根の取り付き点だが、急な尾根なのでスキーは使えそうも無いので、地図を見て丸ノ沢を少し登った崖マークの途切れた辺りから尾根に取り付く事にした。ここから見る大源太山は圧巻だ。
雪質次第では何でも無い斜度と木の密度だが、クラスとした上に乗った乾いた新雪のお陰でシールが効かずにずり落ちる。仕方が無いのでスキーを脱いでキックステップで登るが、今度は足が潜って具合が悪いのでスキーを履く。そうするとまた硬く成ってスキーでは登り辛くて脱ぐ・・・何て事を繰り返して、効率が悪い。雪が柔らかければ何て事無い登りなのだが。
苦労して何とか尾根の緩やかな勾配の場所に出た。送電線の鉄塔と鉄塔の間辺りの1200m付近。ここからはスキーが使える緩やかな尾根なので、遅れを取り戻すべくガシガシ登るが、景色に見とれたり写真を撮ったりしてなかなか進まない。
県境の稜線に近づくにつれて、雪は吹き飛ばされて居て氷化したガリガリの雪面と言うか氷面と言うか・・・を登る様に成る。勾配が緩いとシールが効くので何て事無いが、急勾配に成ると怖い思いをする。
旧鉄道省職員遭難慰霊碑を通り過ぎ県境稜線に出る。スノーシューの跡が有る。それも新しい。清水峠方面に向かっているが、死角に入って姿は見えない。蓬峠辺りから上がって来て馬蹄型縦走でもする積りなのだろうか?。
雪面はますます固くて、アイゼンを持って来なかった事が悔やまれる。無いものは仕方ないので、スキーを脱いでしっかりと足元を確かめながら慎重に進む。しかし、「こんな堅い斜面を滑るのは怖いな~丸ノ沢もこんな硬い斜面ならどうしよう(泣)。」何て思いながら七ッ小屋の尾根の分岐点を目指す。太陽に向いている面の雪面は柔らかく成って来ていて少し希望が持てる。
さて、分岐手前の平地でザックを下ろして、このまま尾根を行くか、スキーで柔らかそうな所を選んでトラバースするか偵察に向かう。結局、スキーで何とか成りそうと判断して、滑走の準備をして恐る恐るのへっぴり腰でドロップインポイントに向かう。吹き溜まりの所でターンをしてみたら行けそうなので、目星を付けて居た箇所まで行って覗きこむと、無理っぽい斜度とカチカチの硬さ・・・。こりゃ無理なので少し横滑りして最鞍部の緩やかな斜度の所から滑りだす。
全くもって快適な広い斜面で、おまけに雪が吹き溜まっていてまさかのパウダーを味わう。まあ所々バランスを崩したり、爆弾に遣られたりしたけれども、凄く快適で楽しい滑走が出来た。今までのベストに近い滑りと快適な斜面に頬が緩む。アプローチには苦労したが、今日は斜面は今季最後の好条件だったんじゃないか?。
滑り下りて来て、沢の出尻まで帰ってきたら、もう雪はびちゃびちゃに腐っていた。
来たシュプールを辿り帰路に着く。すっかり柔らかく成った雪は、往路の苦労は何処へやらで、ダラダラととんば号の待つ車道まで。途中で遅い昼飯を食いのんびりと到着。
上越のマッターホルン大源太! |
丸ノ沢にドロップイン!まさかの面ツルパウダー |
丁度良い斜度と広々とした斜面 正にパラダイス! |
滑り下りて来てシュプールを眺める 至福の時 |
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