自己紹介

自分の写真
夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2014年7月21日月曜日

久し振りの平ヶ岳

結構近い行動範囲なのに凄く久し振り(20年振りくらい)に平ヶ岳に行って来た。行動範囲内なのに何故20年も足が向かなかった考えてみたが、達成感の乏しい山容とアクセス道路の国道352のブラインドコーナーの連続する運転疲れする道、それと地形から来る水はけの悪いグチャグチャの登山道などが重なり足が遠のいていたのかな?。
いくら登り飽きのしない山をテリトリーに持って居ても、何時かは飽きて来ると言う贅沢な悩みも有り、たまには違う所に行きたくなり、大げさだが意を決して行って来た。

普段は旗日は休まない会社なのだが、仕事の谷間で「たまには休むか」と言う事に成り、日曜日は地区の草刈りで早出が出来なかったので、好都合な訳で日曜は完全オフの日にして、「海の日に山に行く」という捻くれた考えのもとに計画を実行した。

登山口の鷹ノ巣までは結構時間が掛かるので、早朝の3時に家を出て、途中で買い出しをして、まずは銀山平を目指す。シルバーラインのトンネルをぶっ飛ばし、うっすら明るく成った頃に銀山に到着。ここからロング&ワインディングロードが始まる。対向車が来ない事を祈りつつ湖畔の地形を忠実に辿るグネグネ道を行く。この時間にこの道を通る人は、ほぼ平ヶ岳に向かう者だろうから、幸いな事に対向車には鉢合わせする事は無かった。

銀山のトンネル出口より約33㎞走ってようやく登山口の鷹ノ巣集落に到着。驚く事にこんな陸の孤島みたいな所に住んでいる人が居る。勿論冬季間は里に降りての生活だろうが、やはり自分の故郷は離れ難いのだろうか。ライフラインは整っているのだろうが、何の楽しみも無い様な生活の様な気がする。少しはそんな生活に憧れている自分が居るのだが・・・。

オイラが到着したのは5時半くらい。けっして遅い時間では無いが、駐車スペースはほぼ埋まっていた。やはり百名山だけ有って県外ナンバーの車が多い。中には関西方面のナンバーもちらほら見える。連休を利用してこの地域の百名山を幾つか登る計画なのだろう。

さて朝食にコンビニ弁当ををモサモサ食い出発進行。恐らくオイラが最後発だろう。長丁場のルートなので皆さん早立ちをしたのだろうなあ~ 賢明な判断です。
道路から鎖でバリケードしてある作業道跡と思われる道を行き、電柱を縦割りにして橋にして渡してある下台倉沢を渡ると直ぐ登山道の入り口だ。ここから下台倉山までのヤセ尾根(前坂)がこのコースの核心部で、ここさえ頑張って登り切ってしまえば後はどうにでもなる、林間の視界の効かないだらだら道をたどって山上の楽園へ行ける。


早立ちした方々は、露出した岩や立ち枯れた木の根が続く急登に苦戦している。オイラも脚の切れが今一つだが、汗を吹き出しながらも先行者を次々と拾って行き、何とか1時間丁度で下台倉山に到着して一息付く。ここから三角点の有る台倉山までは、地図読みでは標高差もそれ程無い楽な道と思ったが、露出した岩やぬかるみの道で急げない。次々と現れる先行者と挨拶を交わしながら進む。空は雲が多く朝日は時々差す程度だが、そのお日様の有る方向が自分の思っている方向とは違う。この方向感覚のズレは放って置いたらまずい事に成りそうなので、地図とコンパスを取り出して感覚を修正しておく。疑問が起きたらすぐに解決して置く事が山では大事な事。

台倉山には三角点が有る。三角点マップというアプリでは、ここに有る三角点は二等三角点と成って居たので楽しみにしていたが、実際は三等三角点で有った。がっくり。


ここから道は緩やかなアップダウンは有るものの息を切らせずに歩ける道だ。途中水場が2か所有ったが、覗かないで来たので水質や量などは確認出来て無い。
以前来た時はぬかるみだらけで、靴は泥んこに成り、不快な思いをしたが、木道が整備されていて快適に歩ける。しかし、雨の後や朝露などでこの木道は非常に滑る。滑り止めの有る個所も有るがほとんどがツルツルでとても走れたもんじゃ無く、滑って転ばない様に慎重に歩を進めるしかない。それでも自然保護や靴の泥んこ化予防には大変役立つ。


シラビソの樹林 灌木帯を抜けると池ノ岳への急登が見える。もう一頑張りだ。恐らく一番先に出発したと思われる方とほぼ同時に池ノ岳の姫の池へひょっこりと飛び出す。まさに天空の楽園で水面に青空が映って奇麗である。
てっきり絶景独り占めだと思っていたが、そこには既に多くの方々がカメラを構えて居た。どうやら中ノ岐川に沿って通って居る林道を使っての最短ルートを登って来た方々なのだろう。皇太子が登ったルートで、たしか銀山平の旅館 ロッジに宿泊した方のみ送迎してもらう事によって通れるルートだったと記憶している。中ノ岐の林道の入り口にはゲートが有り関係者以外開ける事が出来ないシステムに成って居るらしい。ある方は、林道入り口よりチャリンコで1時間ほどかけて、このコースを登って来たそうだが、そんな暇が有ったら鷹ノ巣から登っても大差ない様な気がしたが・・・。

「鷹ノ巣から登って来たの?健脚だね~どれくらい掛かったの?」
「約2時間半ですね」 同時に着いた方に二度見されつつ答える。
苦労して長いルートを辿って来たのに、短時間で登って来られた方に話し掛けられて、ぶっきら棒にに答えてしまう自分が情けない。どんな山にも複数のルートが有り、所要時間も違う。彼らだって正当な方法で登って来られたのだから、疎ましく思う必要など無いのだが、人間の小ささからくる妬みでもやもやした気分に成る。

三角点の有る山頂までは、もう少し歩かねば成らない。高層湿原の地形 植物を愛でながらの山上散歩だ。全く頂きらしくない最高地点にも既に多くの方々がたむろって居る。さすがに百名山だけ有ってアクセスの悪さなどもろともしない賑わいだ。前回来たのは20年ほど前で、山上で泊るべく大きな荷物を担いで長時間歩いて、午後の遅い時間にここへ着き、そんな時間だったので静かなひと時を過ごせたような記憶が有る。そして、あの時は山頂付近は糞尿臭が酷く、草むらや藪にはティッシュの花が咲いていた。今は意識の変化かマナーが向上したの、かそんな事は無く、キレイなものだ。
お決まりの三角点訪問を済まして、辺りを散策して、居場所も無いことだし休憩もせずに玉子石へ向かう。


平ヶ岳沢の源頭部にはまだ雪が残って居た。そこからの雪解け水が大量に流れている。冷たい水で喉を潤し目的地へと向かう。最短ルートから登って来た大人数のツアー登山の方々に道を譲り、ひっそり静かな玉子石へ。ここは当時の記憶のままで、何にも変わっていない。雲さえ無ければ、我がホームグラウンドの中ノ岳 駒が岳 裏三山といった山並みを見る事が出来ただろうが、どうもいくら待っても期待薄なので、姫ノ池の木道の広場でお昼にしようと向かう。
そこは先程擦れ違った団体さんに占領されていた。暫く待って彼らが立ち上がったので、どっかり腰を下ろしておにぎりを頬張りながら、ぼんやりと絶景を眺める。
さて、いつまでこうして居てもきりが無いので立ちあがり帰路に着く。

足場の宜しくない道を慎重に降り始める。追い越してきた方々が続々と登って来る。「もう行って来たの?速いですね」と声を掛けられる。「もうすぐで楽園ですよ。頑張って!」と声を返す。
シラビソの林に入ると静かな道に成った。この時間だともう登って来る方も居ないので静かな山歩き。途中で追い付く人たちは山上に泊った方々。昨晩は星空がキレイだっと話を伺うと、やはりこのスタイルが一番贅沢な山登りなのだと改めて思う。忙しなく飛び跳ねて登り降りしているのとは過ごす時間の密度が違うのだ。


登って来たルートを忠実に引き返し、最後の前坂のヤセ尾根の岩場を注意して降りる。
一番最後に発って一番最初に着いた。


汚れ物を洗いたくて川に降りる。水に濡らしたタオルで汗をぬぐい、泥んこの靴を洗い山の余韻に浸る。
帰り道のグネグネ道をのんびり走る。あれほど憂鬱だった道が、絶景の連続だと気づく。対向車には気を付けなければいけないが、思いの外楽しいドライブだった。良く目を開ければ悪いイメージなど消えて無く成るものだな。

行動時間 6:15 活動距離 22,45㎞




2 件のコメント:

上田 貝瀬 さんのコメント...

ご無沙汰しておりました、貝瀬です。

私自身も平ヶ岳は行ってみたいところですが、何気に遠くて行けていない状況です(笑)。
とんばさんのブログを拝見するに、かなりの困難度が想像されます。
それでも行かれるとんばさん、さすがです。

いずれ、とんばさんと山行をご一緒出来ればと密かに思っております(笑)。
私の知らない事等々、いろいろご教授いただければなんて思っていました。


PS. うちの職員もとんばさんの山行、(特に冬山スキー行)には脱帽しまくりでしたので、それも含めてお話しいただければとてもありがたいです!!

とんば さんのコメント...

貝瀬さん

コメントありがとうございます。

平ヶ岳までは遠いですね。アプローチが一番厳しいのかもしれませんよ。(笑)コース的には全然大したことは無いですよ。特に貝瀬君の脚なら物足りないのではないかな?。

オイラの山の知識など大したことは有りませんよ。自己流で人から見れば危なっかしい感じかもしれません。スキーも技術は何年たっても進歩しないので、ただ登って降りてくる程度なので、全然凄いこと有りません。
何時か機会が有りましたら是非!