自己紹介

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夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2016年9月4日日曜日

本谷山 奥の山を雲が山を越えていく

台風は反れて何の被害も無かった。台風一過の良い天気が続いている。一頃の蒸し暑い夏の暑さとは違うが、お天とう様はなかなか頑張ってジリジリ照らしている。
この暑い中、番長は浦佐山岳耐久マラソンに出るそうだ。オイラも毎年の様に参加していたが、この頃スッカリやる気が失せてレースには出る気にならない。それでも体力維持の為に、夜たまにトコトコ走ってはいるのだが、昔みたいには脚は動かない。衰えに抵抗するにはパワーが要る。色んな意味でね・・・。

地区の委員の年なので、日曜日にあれこれと行事が有った。それもひと段落付いて、好きな様に使える時間が戻って来た。
さてどこに行こうか、食傷気味の山々を思い浮かべてみるが、何処も乗り気がしない。近所の山で足が遠のいている山と言えば本谷山くらいだな。十字峡より登り口までのアプローチが長いので、敬遠してなかなか脚を向けなかった。南魚沼の最奥の山。人けも疎らで熊の巣窟との噂も足を遠退けた原因。
長い林道歩きはチャリを使えば問題無いし、熊さんが怖くて越後の山は歩けるもんか!と意地を母はってみる。

牛ヶ岳から雲が流れ落ちている

いつもの様に、コンビニで食料調達して十字峡へ向かう。5時なのにまだ明け切らない。日の出が随分遅くなった。
目覚ましのスイーツとボトル缶コーヒーを食しながらペダルを漕ぐ。朝の空気はヒンヤリして気持ち良いな〜とクルクル回していたら、徐々に生暖かい風が吹き出した。牛ヶ岳には雲が掛かり、こちらに落ちては消えている。フェーン現象だね。
大汗かいてダムを登り、しゃくなげ湖左岸の道を進む。何台かの車に追い越される。今日は、中ノ岳 丹後山は多流行りなのかも。

チャリで内膳落合まで救助隊の連中の車も有る

車止めのゲートの脇からチャリを押し込んで、悪路を漕いでいく。そこそこの勾配だけど、軽いギヤでクルクル回しても歩くよりは速い。一般車両通行止めの道に、新しいタイヤの痕跡が有るので、救助隊の面々が作業に入ったのだろう。丹後山かなぁ?中尾ツルネの草刈りか?。
丹後山の登山口をアッという間に過ぎて、どんどん奥に向かう。丹後の登り口には車が置いてないし、轍はまだ先に続いているので、中尾ツルネに入った様だな。普段人けの無い所なので心強いね。
登山口の手前の広場に駐輪して、コンビニ弁当で腹を満たして出発。ここまで、家から2時間弱。意外と早く着いた。軽ワゴンと軽トラが停まっている。
10数年ぶりの道なのでワクワクする。大まかにしか記憶に残って居ないからね。
地図読みでも分かるが、ここは尾根上の一本道なので、取り付きの尾根の基部さえ過ぎればそれ程難儀はしないはず。
登り始めてすぐに作業の面々と遭遇。「なんだ~よくこんな所まで来るな~」と呆れられる。しばらくあれこれと話して「お先に~」と歩き出す。上には前日から泊りがけで草刈りに入っている連中と登山の方が2人いるらしい。曰く「今日は賑やか」だそうだ。…確かに。
直ぐに先行の登山のお二人に追い付く。

チャリを漕いでウオーミングアップは出来ているはずなのに脚が重い。朝飯を食って直ぐに登り始めたので胃がもたれる感じが辛い。急登を登り切り、なだらかな道が続くと言うのに(オイラ的に)ピッチが上がらない。既に全身汗でびしょ濡れだ。認めたくは無いが確実に老いは迫って来ている。肉体より気力の衰えは早い。面倒臭がって日々のトレーニングを怠たる様になって来た。負けたくなかったら戦わない事とばかりに、レースにも出なくなった。走る度に記録が伸び、登る度に自己記録を更新して居た頃は、張り合いが毎日のトレーニングに繋がった。それが最近はどうだ?鍛えなきゃ衰えるのは当たり前だ。

ネコブも裏から見ると違った印象

八海山も中ノ岳も遠い 奥の山だな~

桑の木山 ネコブ山を眺め、振り返って中ノ岳 八海山を眺めグングン登る。所々急な個所は有るが歩き易い道だ。整備も行き届いている。救助隊の連中に感謝だ。
雨量観測所の小屋には1時間切って付いた。別段急いだ訳ではないし、久し振りの道なもんで遅いのか早いのか分からない。先行隊の連中はこの小屋に泊って上部の道の刈り払いを行ってくれている。しばらく登ると三角点の有る中尾ノ峰(三十倉)に着く。ここで品倉三等三角点(1296.76m)に訪座する。

品倉三等三角点訪座

一旦鞍部まで駆け下り登り返す。草刈り機のエンジン音が聞こえる。昨日の作業の続きをやっているのだろう。上部より刈り降って来たので、すぐに存在に気が付いて貰い挨拶をする。「何だ~こんな所まで来るのか~」と下の連中と同じ様な事を言われて苦笑い。「もう一台上に居るからな」と注意を受けて登って行く。二台目とすれ違いご苦労様の挨拶。「もう上には誰も居ませんか?」と問うと「隊長が沢登の人の様子を見に行ったよ」との事。「それに天泊した夫婦が居る」との事。

徐々に調子が出て来て、刈り払われて歩き易く成った道を登って行くとお二人が休んで居られた。この辺りから山を越えて来ては消えて行く雲に景色は遮られがち。涼しくて良い塩梅。挨拶を交わす。昨日からこんな天気らしく、今一つ景色を堪能出来なかったらしいが、「良い山ですね~巻機山から丹後山まで道が出来れば北アルプスにも負けないですよ!」とおっしゃってくれた。
残雪期には歩く人は少なくないが、もしこの山稜に道を開き、それを維持する事は並大抵の事では無い。それは分かっているけど、オイラも常々同じ事を考えている。藪やクマ笹を掻き分け歩く猛者も居ると聞くが、一般の方も歩ける道が有ったら・・・。巻機山~丹後山距離的には谷川岳~平標山位の距離だろうか?。お上に陳情した所で動いてはくれまい。費用対効果を考えれば・・・。登山者のロマンなんてお役人には通じまい。

小さな標識が有るだけの山頂

お二人と別れしばらく登ると刈り払いの終了点。ここから本谷山(中尾山)までは道の整備はされて居ない。帰路に帰り仕度をしていた救助隊の連中に聞いたら、とても人手が無くてあそこまでは手が回らないとの事だ。最後に刈ったのは6年ほど前との事。彼らの引き継ぎ事項で刈り払いは尾根の終了点までと決まっているとの事だ。「あそこから先はお前に任せたよ(笑)」と言われたけど・・・。
強風に晒されて寒い位の状態の中、踏み跡を探りながら本谷山に向かう。


何方が設置してくれた分かりませんが目印です
不明瞭な所は有るが、尾根通しで迷うことの無い地形なので、苦労はしつつも本谷山に辿り着く。
どなたが作って下さったのかかすれて読めないが、小さな標識が迎えてくれる。
30分程雲の切れ間に見える景色を眺めて帰路に着く。
そのまま飲めるか如何か分からないが必要な人には貴重な水場
水場表記の池を覗き込む。直接飲めないかもしれないが、ロングトレイルを歩くハイカーを中心にに普及して来た携帯浄水器を使ったり、煮沸消毒すれば飲めるだろうから、もし縦走路が出来たら(夢物語か)貴重な水場に成るだろう。


気に成った事が有る。辺りに用を足したティッシュと う○こ が点在して居るのが興ざめだ。持ち帰れとは言わないが、人目の付かない所で用を足してほしい。野生動物並みの倫理観だ。

整備されたおかげで足場は良く、程良い斜度で楽しく駆け下りる。
「はやいですね~」と追い越して来たお二人が登って来られた。本谷山までは道が不明瞭だとアドバイスをして別れる。

観測所の小屋まで降りて来て救助隊の連中と雑談する。前記の様な事言われたんだけど、まじで刈り払ってやろうかなんて思い始めている。ここを登って来た人は殆どあそこまで行く訳だからな。歩き易い方がいいでしょ。

皆さんと別れて、下り始めたら、刈り上がって来る連中と会う。「上の連中が降りて来ないけど何してるんだ?」。どうやら刈り下りて来た隊と登って来た隊が合流した所で仕事終了らしい。「今荷造り終わって降りて来る所だよ」。サボっていると思ったらしい(笑)。「そんじゃまた」と別れて駆け下りる。

最奥の山道は、訪れる方も疎らなのだろう、登山道の傷み具合も少なく歩き易かった。沢の音が近づくと急斜度と成るが、あっと言う間に帰り着く。山中泊のお二人は沢で汗を流して居らっしゃる。チョイとご挨拶だけして、チャリに跨る(オイラもザブンと飛び込みたかったが遠慮した)。
立ち乗りでショックを吸収しながら下って行く。やはりチャリは正解だった。15分程で十字峡まで帰って来れた。歩けば小一時間掛かるであろう。全く楽ちん。この山はこのスタイルで行くと良いと学んだ。熊の気配は怖いが、この奥の山の魅力にハマっちゃったな。
また来よう。
ダムを眺めながら、手を付けなかった昼飯を食って帰路に着く。

内膳落合の登山口から往復 4時間36分
自宅からチャリ往復 3時間半位かな?13時くらいには家に帰り着く。

数年振りに訪れた山 新鮮で楽しゅうございました。
今日も良い一日。