自己紹介

自分の写真
夏は登山 冬はテレマークスキー。 歳なので、身体が、そろそろ言う事を聞いてくれなくなりつつ有ります。 でも何とかだましだましやって行こうと思ってます。

2015年8月16日日曜日

登り降り 清水峠

お盆休みを3日頂いた。初日と2日目の早朝は共同作業が有る。田んぼの害虫の駆除の消毒は雨天決行という訳には行かないので、初日の予定は見事に流れた。読書と音楽鑑賞で日を過ごした。
2日目は延期に成った害虫駆除と祭礼の準備を一度にヤッツケタ。慰労会と称して朝っぱらから酒を飲み、昼寝で晴天を潰してしまった。

残された今日の日を有効に使わねばと、そそくさと山の準備。さてどこに行こうか?。

ふと思い付く。何故か今シーズンは清水峠に縁がある。馬蹄形や 他の周回登山で都合3回眺めてる。それなら、清水峠を越えるだけの山行も良いと思い付く。
以前やった事有るルートだが記憶は忘却の彼方。思い付いたら行動しましょ。

清水から謙信尾根を登り峠を越えて土合へ。バスで行って電車で帰って来る。独りでも大丈夫だ。

清水行の始発のバスは6時50分なので、買い出しして朝飯食っての時間をみて家を出る。爽やかな朝の空気の中チャリを漕ぐ。このバスに乗ったのは2人だけ。通い慣れた道を高みの見物でバスの中。約30分弱で到着運賃470円也。よいしょこらとのんびりとスタート。

軽くジョグって、堰堤築堤現場へ向かう工事用の道路と化してる国道291号線を奥へ奥へと進んで行く。約40分走ると突然、大源太山が姿を見せる。工事道路に引っ張られて、渡渉点に降りる道を見失った。尾根は見えているので近くに河床に降りる道がある筈とキョロキョロする。勘は経験から導き出される。案の定すんなりと見付かる。
朝露を掻き分けて、以前来た時とスッカリと様子が変わった謙信尾根への渡渉点で先行者が途方に暮れている。尾根の取り付き点が見つからないらしい。目を凝らすと目印のテープらしきものが見えるので偵察に行く。途方に暮れる間もなく発見出来たのでOKサインを出して一足先に登りだす。



どこの尾根も大概登り出しは急登なのである。ひと汗かき始める頃勾配も落ちついて登りやすい道となる。木々の間から標高のわりには見事な岩峰がチラチラと姿を見せる。あそこの膝元の丸ノ沢を滑ったのだと独り胸を張る。
送電線の巡視路も兼ねてるのだろう、よく踏まれ手入れも行き届いた道をゆく。
対岸の山肌に大工事の痕跡が見える。この豪雪地帯の山肌に道を切ろうとした。完成して一冬で打ち捨てられた。


陽は陰り、上州の空は雲が優勢。結構強い風が吹いている。風が集まる場所。
見慣れた三角屋根の影で休息する。汗でずぶ濡れの身体からどんどん熱が取られて行き、寒い。ふと見ると馬蹄アタッカーがぐんぐんと笹の中の道を登って行く。本能で追い掛けそうに成るが、こちとら帰りの電車の時間が決められた身。大人しく昔の旅の人に成り峠を下るのだ。
若い旅の衆が先行して峠道を降りて行く。沢の仕度だから宝川方面の沢を登り、こちら迄足を伸ばしたのだろうと判断。間を置いて同じ道を行く。

当時の土木工事の痕跡を感じながら緩やかな道を歩く。先の若い衆が落としたと思われる物を拾ってしまったので追い掛ける。走りやすい道だ。当時は荷車を引いて登れるように切った道だろうから、緩やかに斜面にへばり付きながら等高線に逆らわずにグネグネと続いて行く。落としたよ〜と手渡して恐縮される。いいからいいからと良い人みたいにかしこまる。それではサラバと速い人振って颯爽と去る。
トコトコとペースが出来た。沢付近は道が荒れる、尾根になると昔ながらの広い道。同じ様に繰り返す。1時間ほど走って蓬峠への分岐点そして白樺小屋。もう少し下って新道と旧道の分岐点。どちらを行くか迷うが、ここは旧道に拘らねば。距離は長いけど・・・。


トコトコと走れる所は楽しい。足場が悪いが沢は心が和む。旅人は水を見ると安心する。背負った水袋はそれ程減ってはいないけど・・・。古の旅人はどんなに心強かっただろう。

走ったり徐行させられたりを繰り返す。GPSを出して現在地を確認する。まだ沢山歩かないといけない。帰りの電車に急かされて冷や汗が出る。のんびりなんかしちゃいられないので休まずにトコトコ。こんなに急かされるとは思っていなかった。


芝倉沢を過ぎると人の気配がする。道も広くなり、林道の風情。幽ノ沢を過ぎれば、散策の人が居る。もうすぐだがまだ長い。間に合いそうだがのんびり歩いていると危ない。めぼしい景色だけ写真に撮って、目に焼き付けて。


一ノ倉沢 マチガ沢と見上げて舗装道路を急ぐ。地形を辿り、思いの外長く歩いてくた~とする。
駅に向かってトボトボ歩く。頑張ったので電車に乗れる。お盆なので 人食い山 に散った若い命の慰霊碑に手を合わす。


娑婆に帰り着き駅前の河原で汗をぬぐい、臭くないシャツに着替えて駅舎前で遅い昼飯を取る。
下り線は沢山階段を降りた地下に有る。大きな荷物を担いだ岳人と物珍しさで来た人々と一緒に階段を降りて行く。ホームは寒い。大きな音と共に電車が来た。

距離 約25km 行動時間 約6時間



2015年8月9日日曜日

裏巻機 新道~旧道周回

すっかり夜が明けるのが遅く成り、永松発電所の鉄管路脇に着いた頃は、まだ薄暗い。ヘッデンを点ける程では無い。勝手知ったる夏草の道に踏み込む。
朝露は無く、なんだか蒸し暑い朝。夕立日和だな~なんて思いながら足早に坂道を登って行く。
すっかり明るく成った頃に、調整池に着く。

チョックストーン滝 

渓谷美を見ながら歩き、景色に目を奪われて大切なものを見落とした。気が付けば、取入れ口まで来ていた。はて?新道の入り口は何処だったっけ。
タブレットのGPSで確認するが、ニゴマン図はうその表記をしている。結局自分の目が頼り。きょろきょろしながら15分程のタイムロスで新道に入る。

大窪沢の渡渉点はスノーブリッジだった

まだ道の手入れに入っていないらしく、結構草が伸びて不明瞭な個所も有る。おまけに急な斜面は踏ん張り所も無く、一歩一歩を大切に踏みしめないと登って行けない。お陰で息も切れないし汗も出ない。朝日を浴びてなかなか捗らない行程に嫌気がさす。ここにロープが欲しいな~ とか 倒木が邪魔だな~ とか、勝手な事を思いながらうんざりし始めた頃、巻き道は下り道に成り、渡渉点へ降りて行く。
残雪の涼しさで生き返り、対岸の尾根への取り付き点を確認して一休みする。

昨年は、この行程の逆を回った。嫌なことは覚えている。急な悪い道を苦労して降りた。今日はその道を登る。
年に何人の岳人がこの道を歩くのだろう?。踏みしめられていない道は、脚の置き場が無い。ズルリと滑る。ロープにしがみ付く様に、這いつくばる様に獣の姿で登って行く。獣ならひょいひょいと駆け上がるのだろうが、人間様は獣の真似は出来ない。じれったく成る様な早さで、にじり上がる。

良い塩梅に焼けつく日差しは木々に遮られ、涼やかな沢風が背中をなでる。苦労している姿を見ていらっしゃる方が居られる。折れそうな心のままでは可哀想にと背中を押してくれる。
急な斜面はいつしか緩やかに成り、橅や岳樺の林から、灌木の中の道になる。仕事がしやすく成ったのか、この先は脚元の草を刈り払って頂いた様で、明瞭な道を歩く事が出来る。

苦労も吹っ飛ぶ優しい景色

灌木帯も抜け出るとたおやかな斜面が広がる。草を刈って頂いた仕事の後が、ラインを引いて伸びている。緩やかなペースに成れてしまった脚は早くは動かない。一歩一歩踏みしめたペースそのままで割引岳山頂に着く。登り始めて4時間37分。清水からなら登って降りている時間だ。同じ場所に立つにも、道が違えば時間も違う。見て来た景色も踏みしめて来た土も違う。いつもより少し誇らしげに景色を見渡しながらおにぎりを頬張る。今日は漬物も買って来た。甘い水に飽き飽きした味覚には丁度良い塩加減。

お決まりの スマイル

のんびりしか歩けなかった脚は疲労感は無い。牛ヶ岳に向かってグングン歩いて行く。人気のお山なので、山頂付近は早い時間でも、気の早い岳人が行き来している。
適当に挨拶を交わしながら、牛ヶ岳へ。
オイラが来るのを待ち構えて、「シャッターを押してくれませんか」と言う人が居る。少し立ち話をする。井戸尾根を登って来て、ヌクビ沢を降りると言う。「止めて置いた方が良い」とお節介なアドバイスをする。幾ら一般ルートとして山歩きの地図に載っていても沢を下るのはセオリーに反する。「再度訪れた時に沢を登って尾根を下ったらどうですか?」と、やんわりと否定して納得して貰う。
「それでは」と別れて、旧道を下る。
きょろきょろ見渡して思うのは、斜面が雪をまとった姿。ラインを引きたい斜面がそこには広がる。

ライン引き放題だな

こちら側の道も刈り払って有り安心して歩いて行ける。
それ程汗はかいていないが、身体は水を欲する。沢で冷たい水をたらふく飲み。欲をかき、空いた水筒にも満タンに詰めて満足する。
急に多く成って来た雲にいなな予感が湧き、脚を早める。でも、此方の道も早めようにも早められない。歩かれていない道はふかふかで脚には優しいがスピードは上げられない。
それに、視界が開けた尾根道からは目を引く景色が次々と現れて、脚を鈍らせる。仕舞には、ザックを下ろして地図と地形を見比べて納得させられる始末で、捗らない。

ほっと一息

一位や五葉松の根が絡んだ細い尾根を降りて行く。足場が有るから急な斜面でも何とか降りていけるが、やはりロープなり手がかりが欲しい個所が有る。そんな所は、笹を纏めて掴んだり、枝を掴んだりして恐る恐る降りる。
沢音が近づき、渡渉点に降り立つ。水は緩やかに流れ、陽の光をいっぱいに受けた開けた河原だ。ここで顔を洗ったり、行動食を腹に納めたり。

緊張させられっ放し

さて、今日の核心部の嫌らしい岩場の高巻き。登り返す高度もそうだが、足を滑らせたらサヨウナラ的な所の連続。岩質自体は靴底の摩擦が効くのだが、バランスを崩せばお終いである。ここも結構ロープの張り方が大雑把で、この位な所大丈夫でしょ 的な・・・。ここは山慣れした(整備された道ばかり歩いていちゃだめだが)場数を踏んだ肝っ玉が据わった人でなくちゃホイホイとは行けないだろう。オイラもへっぴり腰でソロリと進んで行く。

エルキャピタンみたいやな~

足元に、発電所の取入れ口が見えて一安心。後は、渓谷美を眺めながらの遊歩道歩き。
鼻歌交じりに歩いて行くと、救助隊の面々が作業を終えて休んで居った。新道の草刈りをしてきたみたい。明日からは明瞭な道を歩ける。

天竺の里からは車道を駆け下りてスタート地点に帰る。26km 約10時間。
アスファルトのゆらゆらした熱気に、思わず自販機で〆のコーラ。

2015年8月2日日曜日

万太郎~蓬峠周回

朝4時15分に迎いに行きます と電話を貰ったのに、15分も早く番長はやって来た。
目覚ましに叩き起こされて、寝ぼけ眼のまま荷物を外に出しに行ったら、すーとやって来た。
荷物を出してからトイレを済まして、顔を洗って歯を磨いてと思っていたのに、来るの早ぇ~よ。
出した荷物をそのまま番長号に積み込んで、予定よりも早く出発。朝飯の牛丼を掻き込んで、途中で買い出しを済まし土樽に向かう。

久し振りの番長よりお山のお誘い。
「土樽から万太郎山~谷川岳~蓬峠の周回コースを歩きましょう。」

「いいね~。喜んでお供いたします。」となった訳です。

吾策新道の駐車スペースまで行ったら下山後の車の回収に時間が掛かる。オイラはいつも橋を渡ったカーブの所に路駐して徒歩で登山口に向かうので、その様にしたらどうですか?。
・・・。

登山口までトボトボ歩く

支度を整えていそいそと歩きだす。高速道路を潜りずんずん歩いて吾策新道に取り付く。今日は番長にペースを作って貰いましょう・・・だが、いきなりの急登をガシガシ登るもんだから、とても付いて行けない。息も絶え絶えでくっ付いて行く。とても持たないので一息入れた隙にトップを変わってオイラのナチュラルペースで行かせて貰う。普段は自分がガシガシ登って、ひーこら付いて来て貰っているのに勝手な事を言っている。

蒸し暑く朝日を浴びるので、既に汗だくである。
山々が霞んでいる。何だか蒸し暑い。う~ん夕立が来そうな気配する。
今日の仕事を見ながら頂きに近づく。さすがに高度を上げると蒸し暑さは無く成る。分岐の標識が遠目に見えてからなかなか近づかない。

これから山波を越えて行く。

万太郎分岐に着いて、山頂まで行く?と聞いたが、珍しいく いいです と答えが返ってきた。それならとここで一息入れて、せっかくの高度を落としてまた登り返す。稼いでは払い戻す。谷川岳までこれを繰り返す。
やれ今日は脚が上がらないとか、歳は取りたくないとか言い訳をしながら、歩いて行く。
肩の小屋でコーラを買って飲むと言う鼻先の人参で前に進む。右の脚を出し左の脚を出しこれを繰り返していれば何とか前に進んで行く。

山頂独り占めで有る。

ロープウエイが止まっているお陰で肩の小屋周辺はひっそりしていた。普段ならごった返している所だが、ベンチを占領して冷えたコーラをプシュとやる。暇を持て余した小屋番の方とあれこれとお話をして、それではまた参りますとザックを背負う。人影まばらな谷川岳を満喫する。いつもは人込みを嫌ってスルーするに山頂に長居する。この状態を見ると、いかにロープウエイ登山者が多いかと呆れる。

辺りに雲が多く成って来たので先を急ぐ。馬蹄形アタッカー風の方がやって来たので声を掛けると「暑いので諦めて引き返して来ました。」とのこと。夜間の交通規制が有って、早着きできずに、早朝早立ちで距離を稼げなかったのか?まあこの暑さなら賢明な判断でしょう。
茂倉岳まで時間が掛かって仕舞うようだったら、茂倉新道を降りましょうと番長様は行っておられたが、順調に歩けて余裕たっぷりなので、予定通りに行きましょうとの指示を頂く。ハイ、そうしましょう。

色とりどりの花を掻き分け進む

しかしこの山域にしてはスライドする方が少ない。暑さを警戒して山歩きを控えているのか?。たまに擦れ違う方も皆大汗をかいている。陽に焼かれると確かに暑いが、お天道様が御隠れになると、それ程では無い。有り難い事に雲が湧き始めて直射は免れてそれ程では無い。
数週前に歩いた馬蹄形縦走で苦労して登った茂倉岳の登りを今日は降る。登りはキツイが降りはらくだ。花の名前は知らないが、赤い花 白い花 黄色い花 夏の花が盛りである。

武能までの登り返しは、現れたお日様に焼かれ結構暑い。登り切った所で、遠雷の音が聞こえ出す。振り返るとモクモク雲が谷川岳上空に。こりゃヤバイと蓬ヒュッテに向かって駆けだす。オイラはまだ大丈夫とは思ったが、番長が怖がり出したから付いて行く。山は怖がり位が丁度良い。経験を遥かに超える現象が起きる所だから。

改築なった蓬ヒュッテ

改築工事を済ませた蓬ヒュッテに辿り着き空の様子を見る。見た限りでは雷雲が迫って来る様子も無いので最後の大休止。建物の内部を見学した後、残りの食料を綺麗に腹に納める。
水袋の残量を確認するともう殆ど残っちゃ居なかった。これだけ汗をかけば身体は水分を欲する。汗っかきの体質を呪うがこんな風に生まれて来たので居た仕方ない。飲みたい時に飲む。まあそれで良い。

水場で補充

後は降るだけ。途中の水場で冷たい水を口にする。必要無いが、空っぽの水袋を満タンにして背負う。優しい道をとぼとぼと歩く。

どうやら車に帰り着くまで雨に降られずに済みそうだ。


距離 約25km  タイム 8:38